【ルノー変革3段階】量より質の経営体質に 日産・三菱とアライアンス強化 ディーゼルは商業向け少数派に
公開 : 2021.01.16 19:45
機動性アップとアライアンス効果
ルノルーション第1期(2020~2023年)、3つめのポイントは、イネーブラーだ。イネーブラーとは、さまざまな業務を横断的かつ機動的におこなうことを指す。
そして4つめが、アライアンスの活用だ。2020年5月、ルノー、日産、三菱は共同会見し、アライアンスにおける新しいビジネスモデルを発表している。
それによると、開発するモデルや研究開発では、プロジェクトごとに3社のうち1社がリーダーとなり、残り2社がフォロワーに徹すること。さらに、各メーカーが現状で事業の基盤が構築できている地域(レファレンス地域)に経営資源を集約することを挙げている。ひとことでは、事業の「選択と集中」だ。
ルノー社内でいえば、前述のようにルノー・ブランド車とダチア・ブランド車が食い合いするようなモデル開発や販売戦略についても今後、明確に分離することになる。また、ロシア向けのラーダについてはこれまで以上に、ダチアとの車種統合を進める。
次に、第2期(2023~2025年)、そして第3期(2025年以降)に対して新モデルの積極的な導入を進めるが、そこで注目されるのが電動化によるパワートレインの大規模転換だ。
それによると、これまで欧州で主力とされてきたディーゼルが乗用車分野から「ほぼ消える」……。
乗用ディーゼルは?
パワートレインについて、2020年と2025年以降の目標値の比較では構成される種類と比率で大きな変化が見て取れる。
2020年では、全体の約4割がガソリン(小排気量/中排気量/大型排気量)で中排気量が最も多い。また、約4割がディーゼルで3種類あるが小排気量が最も多い。残りの2割弱がハイブリッド/プラグインハイブリッド/EVである。合計で8つのパワートレイン種別となる。
それを2025年以降、パワートレイン種別を4つにまで半減させる。構成比率は、ガソリンエンジンをベースとした電動車としてマイルドハイブリッド/ハイブリッド/プラグインハイブリッドが全体の約3/4と大多数となり、これをガソリン車という観点で大きく1種別とみる。
さらに、短距離対応EVで1種類、中・長距離対応のEV、およびFCV(燃料電池車)を1種類としてカウント。EVでは、ルノー・サンクEVのコンセプトモデルも世界初公開した。スポーティブランドのアルピーヌもEV専用ブランドとする。
FCV関連では米プラグパワーと資本業務提携を結んだ。これらEVとFCVで全体の2割強を占める。そして、残りの1割弱がダチアやラーダ向けの小型商用車を主体としたディーゼルとなる。
会見の最後、日産の内田誠CEOと三菱自動車の加藤隆雄CEOがルノーとのアライアンス強化をあらためて説明した。