【Aクラスの生みの親】ユルゲン・フベルト メルセデス元会長、逝去 81歳
公開 : 2021.01.19 06:05
メルセデス・ベンツのユルゲン・フベルト元会長が81歳で逝去しました。AクラスやMクラス、CLKの誕生に貢献したほか、スマートブランドを立ち上げるなど、メルセデスを15年にわたって牽引し続けました。
失敗も経験した「ミスター・メルセデス」
メルセデス・ベンツの元会長で、AクラスとMクラスの発売に貢献したユルゲン・フベルト氏が81歳で亡くなった。
現会長のオーラ・ケレニウスは、「ユルゲン・フベルトはミスター・メルセデスでした。誠実さと革新的な精神、そして大いなる成功をもって、彼はメルセデス・ベンツを形作ってきました」と賛辞を送った。
「彼の責任のもと、AクラスやMクラスなどの画期的なモデルを投入し、歴史的な製品攻勢を展開しました。彼はリーダーとして、技術への情熱と自分自身に対する最高の基準を持って、チームを統合し、モチベーションを高めました。メルセデスファミリーは彼に永遠に感謝します」
フベルトは1965年に機械エンジニアとしてメルセデスに入社した後、出世して1989年に会長に就任。同職を15年間務めた。
フベルトが会長に就任したことで、メルセデスは全く新しい分野に進出し、ニッチな市場を開拓していった。同時に、世界での売上高を倍増させることにも成功した。
1997年に画期的なAクラスを発表した際の責任者でもあった。ますます厳しくなる衝突試験への革命的な解決策として、2重構造の「サンドイッチ」フロアを採用した。同年、悪名高い「エルクテスト(障害物回避テスト)」に失敗した後、会社の舵取りを助けたのもフベルトだった。
彼の影響力はAクラスにとどまらない。SUVのMクラスの市場投入にも尽力し、主要市場である米国での生産を決定したのだ。
後に、Mクラスはメルセデスに期待される品質には達していなかったと本人は認めている。また、CLKを生み出し、スマートをブランドとして立ち上げることにも貢献した。