【エンツォと同じNA V12】フェラーリ599 英国版中古車ガイド 限定のハードコア仕様も
公開 : 2021.01.23 10:25 更新 : 2021.08.05 08:07
不具合を起こしやすいポイント
ボディ
リアクォーター・パネルが腐食を起こしやすいが、コートペイントで進行を止め、修復は可能。599のボディサイズは大きく、市街地での取り回しはしにくい。バンパーやボディ下部のほか、外装に凹みや擦り傷などがないか確認する。
ホイールのガリ傷やラグナットの錆、パースペックス製のリアライト・カバーが劣化していないかも観察したい。
エンジン
燃費は5.3km/L程度。ガソリンスタンドで、エンツォと同じエンジンだと自慢する時間は沢山あるだろう。定期点検は8000km毎と指定され、英国でかかる費用は約1500ポンド(21万円)。
エンジン前部、ガスケットからのオイル漏れが珍しくない。燃料ポンプのプラスティック部品はヒビが入りやすい。割れてくると、ガソリンの匂いが車内に入ってくる。
トランスミッション
599では一般的なオートメーテッドMTは基本的には堅牢だが、フルード交換を怠ると不具合を招く。5万6000km毎に交換しておきたい。
専門ショップなどで定期点検を受けていれば、クラッチの摩耗もわかる。75%程を使ったところで新品に交換したい。英国なら作業に3000ポンド(42万円)くらいは必要だ。
サスペンションとブレーキ
オプションのカーボンセラミック・ブレーキは強力な制動力を生むのの、599の場合はスチールディスクほど長持ちしない。交換費用も安くない。
乗り心地が不安定なら、ショックアブソーバーのフルード漏れを確かめる。交換費用は高く、リビルドも難しい。コントロールアームとボールジョイントは、劣化が早く交換頻度は短め。コツコツ音がし始めたら、劣化のサイン。
電気系統
毎日のように運転するドライバーを除いて、バッテリーは常に充電しておく方がベター。無用なシステムエラーを防げる。ジャンプスタートは避けたい。
荷室内のカットオフ・スイッチを利用し、トリクル・チャージャーをつなぐと良い。バッテリー・コンディショナーは、オプションで用意されていた。バッテリーを切りシャットダウンすると、エラーコードが消える場合がある。不具合が起きたら試してみると良い。
専門家の意見を聞いてみる
ジェームズ・キャボーン ケント・ハイパフォーマンス・カーズ代表
「599を探すなら、評判の高い専門ショップか、主要ディーラーが売るクルマが良いでしょう。比較的数は多く売れたフェラーリです」
「複数のオーナーを転々としている傾向もあります。状態に優れ、クリーンな履歴であることは、ちゃんと確認した方が良いでしょう」