【影響いつまで続く?】アウディ、従業員1万人以上「時短」に 半導体不足で工場一時停止

公開 : 2021.01.20 06:45  更新 : 2021.01.20 13:45

アウディは半導体不足による生産の遅れを理由、1万人以上を「時短」勤務とすることを発表しました。

アウディ生産台数1万台減少か

text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

半導体コンピューターチップが世界的に不足し、自動車のサプライチェーンを混乱させている。アウディは生産不足により、1万人以上のスタッフを時短勤務とすることになると認めた。

最高経営責任者(CEO)のマルクス・ドゥスマンは、フィナンシャル・タイムズ紙の取材に対し、この問題は重大な危機であり、2021年の第1四半期にはアウディの生産台数が1万台も減る可能性があると述べた。

半導体不足の影響は世界中に広がっている。
半導体不足の影響は世界中に広がっている。

半導体は、最新のインフォテインメント・システム、運転支援システム、各種電気部品に不可欠なものだが、ゲーム機、ラップトップ、タブレットなどの電子機器が流行しているため、需要が高まっている。

これは、2020年末の3か月間に新車の需要が予測を上回るほど増加したことにも起因している。メーカーやサプライヤーは不意を突かれて発注が遅れ、チップ生産のリードタイムが長いため、数週間の遅れが生じる可能性がある。

ホンダは部品不足のため、英スウィンドンのシビック工場での生産を一時停止すると発表した。生産再開は1月22日を予定している。また、トヨタの中国の生産ラインも打撃を受けた。

アウディとフォルクスワーゲンは、供給不足を考慮して約1万9000人のドイツ人労働者の労働時間を削減したと報じられた。合計すると、フォルクスワーゲン・グループ全体で、今四半期の生産台数が最大10万台減少する可能性があると推定される。

フォルクスワーゲンの広報担当者はAUTOCARに対し次のように語った。

「今のところ、不足を最小限に抑えるためにサプライヤーと集中的に作業を続けているため、正確な生産台数への影響は数値化されていません。この影響は少なくとも第1四半期いっぱいまで続くと予想していますが、今年後半には失われた数量を回復できる可能性があります」

「もう1つの問題は、新型コロナウイルスの第二波であり、それが当社の製造業務だけでなく、非常に重要なサプライチェーンに影響を与えているということです。従業員やサプライヤーのスタッフが感染したり、病気になったりすると、当然ながら生産性や供給にプレッシャーがかかります」

「多くの英国企業と同様に、短期的な物流問題をカバーするため、国内に十分な量の在庫を確保することを含め、ブレグジットに向けて集中的に準備を進めてきました」

一方、米国では、フォードのケンタッキー州ルイビルの工場が先週、エスケープとリンカーン・コルセアの生産停止を余儀なくされた。フィアットクライスラー・オートモービルズもメキシコとカナダの工場で同様の措置を取った。

ブルームバーグによると、家電メーカーは自動車メーカーよりも発注量が多いため、半導体メーカーにとって顧客価値が高いという。スマートフォンだけで年間10億台が生産されているのに対し、自動車は1000万台にも満たないと試算されている。

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