【カローラ・ツーリングのOEM】スズキ・スウェイスへ英国試乗 良い道具的なクルマ
公開 : 2021.01.27 10:25 更新 : 2021.01.28 16:58
快適で働き者のステーションワゴン
トヨタ最新世代のハイブリッド・パワートレインは、従来と比べて飛躍的に扱いやすい。しかし、CVTとクランクシャフトとの一体感は希薄。エンジンが頑張っている感じはあるのだけれど。
ハイブリッド・システムの能力の30%程度で運転していれば、レスポンスは良い。特にEVモードで走っている時は、洗練度でも非常に優れる。それ以上を求めると、残念ながらこのクラスでは最も満足感を得にくいドライブトレインだとわかる。
エンジンがよりパワフルなら、もう少しマナーも向上するだろう。だが、欧州版カローラ・ツーリングで選べる180psユニットは、スズキ・スウェイスでは選べない。
燃費性能は、適度に短距離で、速度変化が大きい方が伸びやすい。電気モーターが効果的に活躍しやすいからだ。
高速道路では期待に届かず、試乗で示された数字は19.1km/Lだった。欧州のこのクラスで一般的なディーゼルエンジンなら、23.0km/L程度で走れるだろう。
アクセルペダルを優しく扱い、控えめな速度で走れば質感も高い。車内も広々としている。快適で働き者のステーションワゴンを探しているなら、スズキ・スウェイスは検討の価値がある。
日常的に優れた燃費が得られ、使いやすく、適度に洗練され装備も充実。本気で走りたい場面でも、さほど鈍くはない。良くできた道具のようなクルマだ。
ただし、魅力的とはいいにくいトヨタのハイブリッド・システムは、欧州の道路環境では経済性で勝るとはいい難い。ドライバーとの関わりも薄い。
実用性以上のワゴンを探しているなら、英国にはフォード・フォーカス・エステートがある。元気いっぱいのエコブースト・エンジンを積み、AUTOCARらしく3ペダルのMTも選択できる。
スズキ・スウェイス SZ5(英国仕様)のスペック
価格:2万9299ポンド(410万円)
全長:4655mm
全幅:1790mm
全高:1460mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:11.1秒
燃費:22.7km/L
CO2排出量:99g/km
車両重量:1420kg
パワートレイン:直列4気筒1798cc+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:121ps/5200rpm(システム総合)
最大トルク:23.3kg-m/3600rpm(システム総合)
ギアボックス:CVT