【V8ミドシップへ一新】シボレー・コルベット vs ポルシェ911 C8 進化度合いに驚く 前編

公開 : 2021.01.30 11:45  更新 : 2021.05.18 16:20

ずっと質感を高めたインテリア

パワーもコルベットより控えめで、3.0Lツインターボ・フラット6の最高出力は385ps。100ps以上の開きがある。しかし、ひと回りコンパクトで、実際にアクセスできるパワーに不足はない。

赤いC8コルベットは、ナンバーが付いているものの、まだ公道走行が可能な状態ではない。比較試乗はサーキットに限定された。

シボレー・コルベット・スティングレイ(C8/北米仕様)
シボレー・コルベット・スティングレイ(C8/北米仕様)

輸入代理店の代表で、現在のオーナー、クライヴ・サットンに約束もした。タイヤスモークを上げて派手にドリフトしたり、0-97km/h加速2.9秒が真実かどうか、確かめないと。

初めにコルベットの車内を見てみよう。アメリカ車のインテリアは、欧州車より1世代は古いと評価されてきた時代もあった。努力も及んでいなかった。だが、新しいコルベットはずっと接近している。好感を持てるほど。

ポルシェ911では見られないようなプラスティック製部品や、人間工学的に及ばない部分はまだ少し残っている。でも、従来よりずっとイイ。

センターコンソールの中央には、エアコンの操作系が集約された大きな峰が伸びている。ステアリングホイールの形状はだいぶ四角いが、位置調整の幅は広く、ドライバーを中心としたコクピットだと感じさせる。

ドライブ・モードも複数から選択が可能。モードに合わせて、モニターによるデジタルメーターの表示も切り替わる。

エンジン後ろ側の荷室は大きく、取り外しできるタルガルーフが収まる。ゴルフバッグも積めるだろう。フロント側にも奥行きのある荷室があり、実用性も高い。見た目だけでなく、論理的に仕上げられた車内だ。

限界領域での振る舞いはフェラーリにも近い

全幅は1933mmもあり、ボディはかなりワイド。実際の路上でもワイドに感じるはず。

段差を超える時などにフロントの車高を持ち上げる、ノーズリフト機能をオプションで付けられる。動作は素早く、英国や日本でも有用だろう。

シボレー・コルベット・スティングレイ(C8/北米仕様)
シボレー・コルベット・スティングレイ(C8/北米仕様)

C8コルベットは、これまでのコルベットからの進化度合いが想像以上に大きく、正直驚いた。伝統のLTユニットを起動すると、大排気量のNA V8エンジンらしさが伝わってくる。ここまでは、代々のコルベットとのつながりを感じる。

筆者は先代のコルベットでも、走りを楽しんでいる。フロントエンジン・リアドライブでリミテッドスリップ・デフが付き、少し緩いアメリカン・マッスルカー的なハンドリングが好きだった。

でもC8コルベットは、もはや違う。走り始めてすぐ、コーナーを半分曲がった辺りで、明らかに違うことがわかる。

コースインし、リニアで豊かなトルク任せにストレートを加速する。最大トルクは64.8kg-m/5150rpmもある。シームレスにシフトアップする振る舞いを味わい、フルブレーキ。

コーナー目掛けて旋回させていく。C8コルベットはテールが流れ、ドリフトしたがる素振りを見せる。信じられないほど機敏。テールが流れても、正しいと思えるカウンターを当てれば対応でき、次のストレート目掛けて姿勢を整えられる。

最新のコルベットは、ミドシップのフェラーリと同じエンジンレイアウトにある。限界領域での振る舞いも、同じとはいわないものの、近いものがある。積極的にコーナーを攻めても驚くほど従順で、必要以上に向きを変えようとはしない。

この続きは後編にて。

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