グランドツアラー的正確にあう6気筒

さらに重要なのは、4気筒でもGRスープラがもの足りないと感じないこと。最高出力には80ps以上の差があるのに。

試乗日は気温が低く路面が濡れ、グリップを得にくい条件ではあった。しかしパワートレインはエネルギッシュで、ドライ・コンディションでも不足ないパフォーマンスを発揮することは、充分に予想できた。優れたシャシーバランスを楽しめるだろう。

価格と見た目に納得できるなら、4気筒のスープラはかなり有力な選択肢になってくる。一方で、クルマ好きならストレート6は一度は味わっておきたいもの。BMW製の3.0Lユニットは、間違いなくGRスープラに別の次元の喜びを追加している。

常に鋭い加速を叶える豊かなトルクの山に、高回転域でのシルクのような滑らかさは、4気筒では味わえない至福の時間を与えてくれる。エンジン始動時のサウンドからして違う。2.0Lも良いが、3.0Lのスープラもやはりイイ。

あたりの柔らかいグランドツアラーという、GRスープラの個性には、6気筒エンジンがよく似合う。小さなグランドツアラーには、それ相応のエンジンが必要だと思う。

だが、4気筒のGRスープラのハンドリングは、6気筒よりまとまりが良い。ドライバーズカーとして優れているのは、2.0L版だとも思う。悩ましい。

ちなみにハンドリング最優先で、もう少しの予算も準備できるなら、ポルシェ718ケイマンが最有力になってくるだろう。この勢力図に変わりはなさそうだ。

トヨタGRスープラ 2.0（SZ／英国仕様）のスペック

価格：4万5995ポンド（643万円）
全長：4379mm
全幅：1854mm
全高：1292mm
最高速度：249km/h（リミッター）
0-100km/h加速：5.2秒
燃費：13.7km/L
CO2排出量：167g/km
車両重量：1395kg
パワートレイン：直列4気筒1998ccターボチャージャー
使用燃料：ガソリン
最高出力：257ps/5000-6000rpm
最大トルク：40.7kg-m/1550-4400rpm
ギアボックス：8速オートマティック

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