【いざ巻き込まれたらどうすべき?】ホワイトアウトの恐怖と課題 今後の対策は?
公開 : 2021.01.21 19:40 更新 : 2021.01.22 12:33
東北道での事故をはじめとしてホワイトアウトに関係する事故が相次いでいることから、対策を提唱します。
「ホワイトアウト」での事故
筆者はいま、札幌市の自宅で除雪を3回終えてこの原稿を作り始めている。
今日(2021年1月19日)はまさに「ホワイトアウト」だった……。
2021年1月19日には東北道で宮城県大崎市にて、およそ140台が関係する多重事故では、1人が死亡、18人が重軽傷を負った。約50台がこの事故では直接関係しているとも報道されている。
この原因は「ホワイトアウト」だった。事故が発生した午前11時50分時点の大崎市古川の気温は氷点下3.4℃で、最大瞬間風速は1月としては過去最大となる27.8mを観測していた。
それ以外にも札幌市近郊の長沼町で、10数件の事故が相次ぎ、国道が通行止めとなっていた。現場は猛吹雪の影響でホワイトアウト状態だった。国道337号と274号では猛吹雪の影響で自衛隊車両などが路外にて横転していた。
「ホワイトアウト」が関係する、あるいは冬期間の吹雪による交通事故の事例は北海道では多く、今後の参考として呈する。
2018年1月に北海道滝川市内の道央自動車道上り線で11台が関係し、6人が重軽傷を負っている。その後方では約100台の車両が立ち往生する事態になった。現場は見通しのよい直線道路だが、路面は圧雪アイスバーンで、その上部に新雪が積もる状態で視界不良だった。
付近ではほかにもその数時間前に国道で多重衝突が起きて、その時点での気温は0度前後まで上がっていたが、風速は12m/s近くあり、降っている雪だけでなく、周囲にある雪まで風によって飛ばされるような状況だった。
また関連して、筆者自身も調査している、2013年3月北海道中標津町や湧別町で、暴風雪で車が相次いで立ち往生するなどし、8人の死亡が確認され、1人が手当を受けた。密閉状態の車内で一酸化炭素(CO)中毒死したり、車外に出て凍死するなどした。
雪が窓やマフラーをふさぎ、排ガスが車内に充満してCO中毒死した。周辺は2-4mの雪が積もっていた。道などによると、3日はJR北海道の特急や普通列車約360本が運休し、新千歳空港を発着する約10便が欠航。中標津町や北見市で約650人が一時、公共施設に避難したり、車での待機を余儀なくされた。また、1~3日に延べ約8000戸が停電。
また、2019年には札幌近郊の当別町で66歳の男性が「ホワイトアウト」の中、自動車を運転し雪山に数回衝突した後、自動車を置いて自宅に向かった結果、玄関前で倒れ死亡してしまう事故が起きた。暴風雪や降り積もった雪が強風により舞い上げられる地吹雪などによって起こる同現象は、それだけ人の感覚を奪う……。