【いざ巻き込まれたらどうすべき?】ホワイトアウトの恐怖と課題 今後の対策は?
公開 : 2021.01.21 19:40 更新 : 2021.01.22 12:33
「ホワイトアウト」とは
「ホワイトアウト」は、発生する場所が上記事例のように、住宅街ではなく周りに遮るものが少ない郊外の道路、とくに被害が大きくなるのは幹線道路にその特徴がある。
都市部ではなく地方で発生することが多い。北海道では、多々発生している。「ホワイトアウト」は少量の雪であっても風の強い条件がそろうと発生するのだ。
目安として、風速が5m/sをこえると吹雪が発生しやすくなる。8-10m/s程度になると雪で視界が悪くなってくる。さらに風速が15m/sでほぼ全く視界がない状態になると思っていればよいだろう。
今回の東北道周辺も多重事故が起きた区間の周辺は、畑や田が広がっていて、風が非常に強い場所で、「ホワイトアウト」が発生する条件に合致する。
また、この地域では過去にも同様の事故が発生しており、要注意か所だったのだ。
対策と課題は?
ドライバーの安全対策として、速度を落として自分の車の存在を周りに知らせる。車のヘッドライト、ハザードランプ、車によってはフォグランプなどすべてを使って、周りに対して自分の存在を知らせる。安全な場所があれば路肩に停めること。
冬の期間は、燃料を早めに満タンにし、スコップや牽引ロープ、防寒着や毛布、食料を積んでおくことも事前の備えとして必要である。なお、暴風雪に関する気象警報などが発表されたときは、外出しないことが身の安全を守る最善の対策であることはいうまでもない。
避難できる場所がない場合には携帯電話などの通信機器のGPSをオンにし、110番することで自車の位置を伝達。一酸化炭素中毒を防ぐため、換気やマフラー周辺の除雪をしながら救助を待つことが肝心である。
ドライバーのみならず、わたし達国民にとっても「ホワイトアウト」の影響は少なくない。これまで大雪に関係する事例では、交通網が遮断され、トラックが立ち往生する光景がみられた。
また、水気を多く含んだ雪質が積もったことで、簡易型のテント倉庫が崩壊するという被害も相次いだ。食品輸送の現場では、大雪で立ち行かない状況の中で配送を迫る荷主への非難の声もある。
店舗での除雪用品不足や生鮮品が店から消える事態は市民生活に深刻な影響を及ぼしている。またそれが回復するのにもロジスティクスが回復しないとならない。即効性があるものではない。
今年は雪によって首都圏や北陸のサプライチェーンが打撃を受けており、製造・物流・小売事業者にとって大雪への対策が重要だ。
積雪などの気象情報や車両の走行軌跡、通行可能な経路、遅延リスクなどを集約し、一元的に管理する新たな「物流リスクマネジメントシステム」の構築が望まれる。
雨雪判別や路面温度予測の技術を用いて道路ごとに通行止めリスクを予測するノウハウや、システム確立と、積雪状況を面的に把握する独自の積雪解析技術を組み合わせることで、豪雪時でもサプライチェーンを止めない気象・物流情報の提供も必要となっている。
とくに「ホワイトアウト」対策としては積雪量を感知するだけでなく、風の強さも把握し、ドライバーなどに伝達する必要がある。