【わずか0.5g/kmの差】VWグループ、欧州CO2規制クリアならず EV販売は大幅増
公開 : 2021.01.22 19:05
独VWグループは、2020年の欧州CO2削減目標を達成できませんでした。少なからぬ罰金が科せられます。
僅差で目標達成を逃す
独フォルクスワーゲン・グループはCO2排出量削減目標を僅差で達成できず、欧州連合(EU)から罰金を科せられることになった。
低排出ガス車やゼロ・エミッション車への切り替えを促すため、EUは2020年、車両平均95g/kmを基準とした厳しいCO2排出量規制を導入した。車種構成に応じてメーカーごとに目標値が異なり、未達のメーカーには一定の罰金が科せられる。
フォルクスワーゲン・グループは2020年、EVとプラグイン・ハイブリッド車の販売台数を前年の7万2600台から31万5400台へと飛躍的に伸ばした。販売台数に占める両カテゴリーの割合は9.7%で、こちらも前年の1.7%から増加している。
これにより、乗用車の平均CO2排出量を99.8g/kmと、2019年から約20%削減することができた。しかし、目標値の99.3g/kmにわずか0.5g/km足りなかった。
最終的な数値は欧州委員会が確認し、その後罰金の額が決定される。規制では、販売された車両1台あたり1g/kmの目標を超えるごとに95ユーロ(約126円)の罰金を科すことになっている。
フォルクスワーゲン・グループのヘルベルト・ディースCEOはこの状況に対し、「CO2ニュートラル企業への道を順調に進んでいる」ことを示しているとしつつ、「新型コロナウイルスのパンデミックに阻まれ、2020年の目標をわずかに逃してしまいました」と述べた。
「フォルクスワーゲンやアウディに加えて、クプラとスコダも魅力的なEVを発表しています。これにより、今年は目標を達成することができるでしょう」
グループによると、フォルクスワーゲンとアウディは、それぞれID.3とeトロンの販売により、今年のCO2排出量削減目標への取り組みは順調だという。
グループのプールには、ベントレーとランボルギーニ以外のすべてのブランドが含まれており、個別に測定される。グループは目標達成に向けて、ここ数か月の間にMG、アイウェイズ、Next e.Go、SAICの欧州部門など、複数のメーカーと取引をおこなってきた。