【鳥肌モノの再会】アルファ・ロメオ・スパイダー2000 カムテールでグリーンのS2 後編
公開 : 2021.02.07 18:25
スタイリングは巨匠のピニンファリーナ
アルファ・ロメオ2000とジュリエッタ・スパイダーの成功を受け、105シリーズのスパイダーが発売されたのは1966年。初期のボートテールのスパイダー・デュエットは、忘れられないほど可愛らしい。
スタイリングを手掛けたのは、ピニンファリーナ。デザイナーのアルド・ブロバローネが手掛けた、負けじと美しい1956年のアルファ・ロメオ6C-3000スーパーフロー・コンセプトに影響を受けたボディだった。
エンジニアのアウレリオ・ランプレディが設計したツインカムエンジンは当初1570ccで、110psを獲得。すぐに1290ccで90psのスパイダー・ジュニアが追加。スパイダーは1967年に1750ccへ排気量が増やされ、119psを獲得する。
1971年になると、1962ccへさらに拡大。134psのスパイダー2000が登場する。
最終型となるエンジンが登場したのは、大々的なフェイスリフトを受けたS2の登場の翌年。リア・サスペンションが改良され、ボクシーなカムテールへ改められている。1982年には、ラバーテールのS3が登場した。
アルファ・ロメオ・スパイダーは改良とともに寿命を伸ばし、1990年にS4が登場。1993年に生産を終えている。
多くのアルファ・ファンは、1750ccがスパイダーのベスト・モデルだと考えている。しかしペインが愛するような2000も、回りたがりのツインカムユニットに太いトルクが融合され、とても楽しめる。
アクセルペダルを踏み込めば、テールを沈めながら、2.0Lユニットは爽快な加速を見せつけてくれる。リビルド済みの5速MTは、筆者が経験した105シリーズのアルファ・ロメオの中で、最も滑らかだ。
ゆっくりスパイダーとの暮らしを楽しむ
ステアリングホイールは、正確で重さも丁度いい。乗り心地もしなやか。タイヤは、当時版のミシュランXASを履いている。
ペインのアルファ・ロメオは、コンクール・コンディションというわけではない。グローブボックスの下には、見た目の良くないステレオユニットが付いていて、乗用感が強い。だが、かつて塗り直されたグリーンのボディは、実際の走りのように美しい。
センターコンソールには、純正のラジオが残っている。見た目はそのままに、内部を最新のものにアップデートする計画を立てているという。今後数十年をかけて、ゆっくりとリビルドしながら、スパイダーとの暮らしを楽しむつもりだ。
通りに止まる小さなアルファ・ロメオを眺めながら、ペインが口を開く。「夢のような話ですよね。ロンドンでの偶然の再会は、今でも信じられません。その出会いを思い出すたび、うれしくて気持ちがこみ上げてくるんです」
アルファ・ロメオ・スパイダー2000(1971〜1982年)のスペック
価格:新車時 5499ポンド/現在 3万ポンド(420万円)以下
生産台数:3万8379台
全長:4267mm
全幅:1626mm
全高:1295mm
最高速度:189km/h
0-97km/h加速:8.8秒
燃費:8.5-10.6km/L
CO2排出量:−
車両重量:1040kg
パワートレイン:直列4気筒1962cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:134ps/5500rpm
最大トルク:18.4kg-m/3000rpm
ギアボックス:5速マニュアル