【GLAを純EVに】メルセデス・ベンツEQA 250 プロトタイプへ試乗 190psのFF 前編
公開 : 2021.01.25 10:25 更新 : 2021.05.18 16:20
コンパクト・クロスオーバーのGLAをベースに、純EVシステムを搭載したEQA。先日の発表に先立って、英国編集部は試作車にドイツで試乗しました。
MFAプラットフォームがベース
メルセデス・ベンツの最小クロスオーバー、GLAに搭載されている既存のドライブトレインを降ろし、電気モーターと大きな駆動用バッテリーを搭載する。内容としては理解しやすい。
純EVモデルへ与えられるメルセデス・ベンツのサブブランド、EQ。手頃な価格のモデルに適用できるプラットフォームを持ち合わせていない場合、既存のハードウエアへ手を加えるという方法が、メルセデス・ベンツの選択肢だった。
ライバルメーカーが採用するような、純EV専用プラットフォームを開発するには、数年の期間と、数十億ポンド(数千億円)のコストが必要となる。しかし、既存モデルを純EVへ派生させるという手段は、理想的な条件とはいえない。
GLAが採用するMFAプラットフォームは本来、電動化技術の搭載を前提に開発されている。だが、純EVではなく、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)どまり。
そのため、高張力鋼板とアルミニウムを用いた構造部分には、かなりの改良が必要だったという。最も大きな課題となったのが、66kWhという大容量のバッテリーを搭載すること。リアセクションのフロアを持ち上げ、リアシートの下などに搭載されている。
一方、GLAをベースとしたことで、ドイツのラシュタット工場のほか、中国など各地の工場でGLAとEQAを並行して生産することが可能になった。こうして、BMW i3やフォルクスワーゲンID.3などの対抗モデルとして、EQAが生まれた。
ボディシェルやバンパーはGLAと共有
コンパクト・クロスオーバーのEQAは、全長を伸ばした2番目のモデル、EQBへと展開する予定。ひと回り大きい、GLBの純EV版だ。これらはすべて、2023年までに6台の純EVをリリースするという、メルセデス・ベンツの目標達成に結びつけられる。
先日EQAの公式発表が行われたが、AUTOCARでは真冬のドイツで、EQAのプロトタイプ試乗へ招待された。軽くカモフラージュされているのの、2021年半ばに英国での販売が始まる仕様に近いという。目下、最終仕上げに向けた耐久テストの真っ最中だ。
メルセデス・ベンツの購買層の期待通り、AMGラインと呼ばれるスタイリング・パッケージも用意される。今回の試乗車も、AMGラインだった。偽装のおかげで、パッと見はわかりにくいけれど。
メルセデス・ベンツのファンでなくても、純EVのEQAと、エンジンが載るGLAとの見た目の近さに気が付くだろう。ボディシェルやバンパーは同じものを利用している。同時にフロントグリルはパネルで覆われ、細部にも手が入り、EQCとの関係性も感じ取れる。
インテリアも基本的にはGLAの改良版。メーターパネルのモニターやインフォテインメント用に、EQブランドとしてのグラフィックが適用されている点が、わかりやすい違いとなる。
車内空間の質感は高く、運転姿勢も快適。クラスを超えた現代的な利便性や、安全機能を備えている。