【ミニバンを上手に運転したい】根強い人気、アルファードで検証 ふらつき/騒音・振動 専用タイヤも

公開 : 2021.01.23 08:15  更新 : 2021.10.11 13:49

乗り心地とノイズ 深い関係

ミニバン・ハイト系のドライバーを対象にした、タイヤの満足度調査にも学びがあった。

箱型で車内空間が広いミニバンは、クルマ自体が共鳴室のような効果を持つ。タイヤに関する不満の1位は「運転中のノイズ」という結果。

日本グッドイヤーが3月に発売するミニバン専用タイヤ「エフィシェント・グリップRVF02」。13インチ〜20インチまで全40サイズを揃える。ふらつき・騒音を徹底的に抑えたという。
日本グッドイヤーが3月に発売するミニバン専用タイヤ「エフィシェント・グリップRVF02」。13インチ〜20インチまで全40サイズを揃える。ふらつき・騒音を徹底的に抑えたという。    前田恵介

タイヤメーカーの方によれば、そうしたノイズの対策をしていくと、関連して乗り心地も変わるとか。

どういうことだろう?

タイヤが転がってブロックが路面に接地すると発せられる「パターンノイズ」は、タイヤの縦ミゾ(円周方向のミゾ)を伝わって響く。ミニバンは、多人数が乗り合わせて会話する機会が多いので、乗員に耳障りなノイズは不満の声につながる。

今回試した専用タイヤでは、縦ミゾのまわりに音の逃げ道となる横ミゾを設けたり、隣の縦ミゾと太さを変えることで、不快な音を低減させていた。

ミニバン専用と非専用を、速度を上げて乗り比べると、前者ではエンジンの音をより感じる。非専用タイヤでは、様々なノイズが耳に届くのでかき消されてしまうのだろう。

高速道路の継ぎ目をイメージした突起の乗越えテストをしてみても、専用タイヤはトン、トンと衝撃音のおさまりがいい。そして意外なことに、突き上げの不快感がないし、振動の収まりも早い。

前述の日本グッドイヤーの関係者は、「ノイズと乗り心地は密接に関係していて、形状・素材を最適化していくと、タイヤの変形・車体に伝わる振動も抑制される」と教えてくれた。

ファミリーで乗るから、気遣いも

クルマ酔いしやすい自分にとっては、騒音・振動が多いクルマは酔い始めると辛い。

そういう時は、ドライバーの運転の粗が一層気になる。

ミニバン・ユーザーに行った調査では、タイヤに対して「価格よりも安全」を求める傾向がある。ファミリーユースが多いカテゴリーならではの特徴か。
ミニバン・ユーザーに行った調査では、タイヤに対して「価格よりも安全」を求める傾向がある。ファミリーユースが多いカテゴリーならではの特徴か。    前田恵介

ドライビングの技術はこれからも高められるし、騒音・振動もアイテム次第で変えることができる。

なにしろ、運転がうまいと言われるヒトのクルマは、長時間乗っていても疲れないし、クルマ酔いした経験もない。相乗りするなら、そういうドライバーの隣がいいし、自分自身もそんな技術を身につけたい。

ふらつきを起こさないように意識して、ミニバンを走らせる。そして可能なら、クルマをコントロールしやすいタイヤを選んで、騒音・振動面に強い銘柄で同乗者を気遣う。

ちょっとした技術と、正しい道具選び。

「このヒトの運転って、なんだか疲れる」と思われないミニバン・ライフの秘訣は、案外手の届くところにあると思う。

記事に関わった人々

  • 前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)

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