【ミニバンを上手に運転したい】根強い人気、アルファードで検証 ふらつき/騒音・振動 専用タイヤも
公開 : 2021.01.23 08:15 更新 : 2021.10.11 13:49
乗り心地とノイズ 深い関係
ミニバン・ハイト系のドライバーを対象にした、タイヤの満足度調査にも学びがあった。
箱型で車内空間が広いミニバンは、クルマ自体が共鳴室のような効果を持つ。タイヤに関する不満の1位は「運転中のノイズ」という結果。
タイヤメーカーの方によれば、そうしたノイズの対策をしていくと、関連して乗り心地も変わるとか。
どういうことだろう?
タイヤが転がってブロックが路面に接地すると発せられる「パターンノイズ」は、タイヤの縦ミゾ(円周方向のミゾ)を伝わって響く。ミニバンは、多人数が乗り合わせて会話する機会が多いので、乗員に耳障りなノイズは不満の声につながる。
今回試した専用タイヤでは、縦ミゾのまわりに音の逃げ道となる横ミゾを設けたり、隣の縦ミゾと太さを変えることで、不快な音を低減させていた。
ミニバン専用と非専用を、速度を上げて乗り比べると、前者ではエンジンの音をより感じる。非専用タイヤでは、様々なノイズが耳に届くのでかき消されてしまうのだろう。
高速道路の継ぎ目をイメージした突起の乗越えテストをしてみても、専用タイヤはトン、トンと衝撃音のおさまりがいい。そして意外なことに、突き上げの不快感がないし、振動の収まりも早い。
前述の日本グッドイヤーの関係者は、「ノイズと乗り心地は密接に関係していて、形状・素材を最適化していくと、タイヤの変形・車体に伝わる振動も抑制される」と教えてくれた。
ファミリーで乗るから、気遣いも
クルマ酔いしやすい自分にとっては、騒音・振動が多いクルマは酔い始めると辛い。
そういう時は、ドライバーの運転の粗が一層気になる。
ドライビングの技術はこれからも高められるし、騒音・振動もアイテム次第で変えることができる。
なにしろ、運転がうまいと言われるヒトのクルマは、長時間乗っていても疲れないし、クルマ酔いした経験もない。相乗りするなら、そういうドライバーの隣がいいし、自分自身もそんな技術を身につけたい。
ふらつきを起こさないように意識して、ミニバンを走らせる。そして可能なら、クルマをコントロールしやすいタイヤを選んで、騒音・振動面に強い銘柄で同乗者を気遣う。
ちょっとした技術と、正しい道具選び。
「このヒトの運転って、なんだか疲れる」と思われないミニバン・ライフの秘訣は、案外手の届くところにあると思う。