【SUBARUは消えない】スバル、欧州で苦戦も「未来は明るい」 課題はブランドイメージ?
公開 : 2021.01.26 18:05
スバルブランドのイメージ戦略
スバルはブランドイメージの混乱にも悩まされている。
1990年代と2000年代には、インプレッサWRX STiのラリーでの活躍によってブランドイメージは確固たるものとなった。しかし、インプレッサは欧州のホットハッチブームに直面して徐々に人気を失い、2018年には英国のラインナップから名前を消した。
「スバルUKは過去に多くの失敗をしてきました。インプレッサはパフォーマンスカーであり、ラリーカーでもありました。しかし、それは歴史の一部であり、今となっては遠い昔のことです。今のスバルブランドとは何の関係もありません」
インプレッサの英国からの撤退は、スバルがクロスオーバーとSUVのブランドとしてコアバリューに集中するための戦略的な決断だったとハーティグは語る。また、スポーツカーの新型BRZも欧州市場には導入されない。
ハーティグは、責任は自分たちにあるのだと正直に認めている。
「わたしは当社を擁護しているわけではありません。この数字は非常識で馬鹿げています。結局のところ、わたし達の組織、積極性、仕事のやり方に大きな問題があるのです」
「2020年の下半期に経営陣を変え、チームを変え、多くのことを変えてきました。今、わたし達は回復のためのスキームを開始しているのです」
しかし、残念なことに、過去12か月間にイングランドで3度のロックダウンに見舞われており、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドでも同様の規制が行われている。
「3度目のロックダウンは予想していませんでした。ディーラーとの会議を予定していた日の前夜にボリス・ジョンソン首相がロックダウンについて話していて、当日の朝に会議を延期しなければならなくなったのです」
それでも明るい未来が待っている
しかし、悪いニュースばかりではない。以前のロックダウンでは不十分だったオンラインサービスだが、今ではしっかり稼働している
「ロックダウンが始まる前に、わたしは非常に良いロールアウト計画を立てていましたが、今はもっと現実的にならなければなりません。成長を期待しており、第1四半期は30%が目標です。2021年にはもっと大きな成長を期待していましたが、この状況では少し謙虚にならざるを得ません。とはいえ、ただ座ってリラックスしながらロックダウンが終わるのを待つわけにもいきません」
現在予定されている新型車は、販売回復の遅れを取り戻すことが期待されている。最新のXVとフォレスター、そして第6世代となる新型アウトバックが5月に英国へ上陸する。
さらに、トヨタと提携して完全電動のSUVを開発し、2025年までに発売する。
また、スバルは欧州での販売台数が非常に少なく、「ニッチメーカー」に分類されているため、欧州の最も厳しいCO2目標を回避することができるという利点もある。また、ハーティグによれば、ブレグジットがビジネスに大きな影響を与えることはないとのこと。
一部では、欧州におけるスバルの将来に対して悲観的にとらえている人もいるが、ハーティグは将来をポジティブに見据えており、昨年の状況を早く「過去の話」にしたいと考えている。
「2020年は当社にとって災難な年でした。しかし、わたし達の視点から見れば、目の前には良い道があり、その先に良い未来が待っています」