【なぜ今】日産e-NV200ウインター・キャンパー発表 デリカPHEVへの布石も?
公開 : 2021.01.29 05:45 更新 : 2021.07.27 14:51
LCVのEV化とキャンパーを紐付ける
ルノーが2021年1月15日に発表した中期経営計画2020-2025「ルノルーション」の中で、興味深い円グラフを公開している。
それは、2020年と2025年それぞれで、4つのルノー傘下ブランド(ルノー、アルピーヌ、ルーマニアのダチア、ロシアのラーダ)のパワートレインの種類を比較するものだ。
そのなかで、ディーゼルについては、ルノー傘下ブランド全体で現在の4割弱から一気に1割程度まで縮小し、その代わりとしてEV化を進めるという。
ルノー日産三菱アライアンスでは、メーカーそれぞれが得意な技術領域で「リーダー」となり、そのほかの2社が「フォロワー」に徹するという考え方を明確にしている。その上で、e-NV200のレジャーを含む多目的利用は、ルノーにも影響を与えると思われる。
また一般的に、LCVは都市部や地方部の限られた地域で使われることが多いため、航続距離が比較的に短く、また配達などでは走行ルートがあらかじめ決まっており、充電を計画的にできると考えされている。住宅が多い地域での排ガスや騒音に対するする必要もあり、結果的に「LCVはEV向き」といわれることが多い。
そうしたLCVのEV化が、商業車ということで一般メディアにおける話題性に欠けることもあり、近年日本でもブームとなっている商用バンのレジャー利用というイメージでのコンセプトモデルなのかもしれない。
次期デリカD:5 PHEV兄弟車になる?
では、今回のコンセプトモデルの量産化はないのか?
筆者の見立てとしては、2020年代中盤には、十分にあり得る話だと思う。可能性としては、大きく2つあるのではないだろうか。
1つは、次期e-NV200の登場でのモデルバリエーションとしてだ。そもそもe-NV200は、リーフの多モデル化のひとつであるため、次期リーフが登場にあわせて、またはそれから1年程度遅れての登場が期待される。
その際、量産車の改造ではなく、日産には車検対応可能なポップアップルーフ量産化の可能性をぜひ探って欲しい。
もう1点が、e-NV200とは商品イメージは変わり、商用車ではなく乗用でボディサイズがNV200より大きくなるが、次期エクストレイルと次期アウトランダーに搭載される、PHEV(プラグインハイブリッド)を活用することだ。
モデル開発の流れから推測すれば、それは次期デリカD:5 PHEVの兄弟車になるのが筋である。
そうした多目的なレジャーバンの将来像を、日産がe-NV200ウインター・キャンパー・コンセプトに託しているように感じる。本来、このコンセプトモデルは、2020年と同じく2021年も新型コロナウイルス拡大の影響で3月開催が中止となった、スイス・ジュネーブモーターショーに展示される予定だったはずだ。
いつの日か、実車をじっくり見てみたいものだ。