【価格/エンジン/内装は?】メルセデス・ベンツ 新型Sクラス(W223)日本発売 S500/S400 d/特別仕様車を解説

公開 : 2021.01.28 13:05  更新 : 2021.10.11 09:40

Sクラス新型 内装

新型になって最も大きく変化を遂げたのがインテリアだ。

「人間中心の最新技術」をテーマに、最先端のディスプレイ技術が意欲的に採用されたことに注目したい。

新型Sクラスの前席内装(S 500 4マティック)
新型Sクラスの前席内装(S 500 4マティック)

デザインについても最新の「ラグジュアリー」を再定義し、デジタルとアナログの調和が図られた。上質なレザー、ウッド、アルミで構成され、豪華さと安らぎを感じさせる仕立てとされている。

ドライバー正面の12.3インチのワイド・ディスプレイには、速度計を始めとする走行に必要な情報を表示。各種情報を立体的に表示する3Dディスプレイをオプションで選ぶこともできる。

中央に位置する縦型12.8インチの有機EL(OLED)センター・ディスプレイには、ナビなどの表示のほか操作機能も集約。これによりスイッチ類を減らし、シンプルなインテリアに仕上げられた。

後席には世界初となる「SRSリアエアバッグ」が、ロングボディ仕様にオプションで用意される。また室内の静粛性を追求し、ボディシェル内に遮音発泡材を採用し遮音性能が大幅に改善された。

Sクラス新型 シャシー

諸元情報には欧州仕様値を含みます。

新型Sクラスには、Sクラスの先代(W222)、Eクラス(W213)、Cクラス(W205)で使用されていたMRA1プラットフォームの発展型となるMRA2プラットフォームが採用された。

これまでと同様に「ショート」と「ロング」の2種類のシャシーが用意され、ショートのホイールベースは、欧州仕様では3106mmとなり、W222に比べて71mm延長された。

新型Sクラスの後席内装(S 500 4マティック)
新型Sクラスの後席内装(S 500 4マティック)

日本仕様のショートボディの標準仕様は、全長が5180mm。先代と比べて25mm長くなっている。

ロングは、欧州仕様のデータになるが、ホイールベースは110mm延長された3216mmとなり、全長は5320mmに。

サスペンションはフロントに4リンク、リアはマルチリンク式で、エアマティック・ダンパーを組み合わせる。

注目の新機構としては、後輪操舵システム「リア・アクスルステアリング」がある。

低速時は、前輪と逆位相で最大4.5度ステアして小回り性を実現。中高速時は、同位相で最大2.5度ステアし走行安定性を高める。

Sクラス新型 パワートレイン

日本にまず導入されるのはガソリン・エンジンの「S 500」と、ディーゼル・エンジンを搭載する「S 400 d」の2タイプとなる。

S 500には、最高出力435ps、最大トルク53.0kg-mを発揮するM256型3L直6ガソリン・ターボを搭載。

新型Sクラス(S 500 4マティック)
新型Sクラス(S 500 4マティック)

そこに22ps/25.5kg-mを発揮するISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を組み合わせ、高い効率性と力強い加速を実現している。

S 400 dには、OM656型3L直6ディーゼル・ターボを搭載。最高出力330ps、最大トルクはディーゼルならではの71.4kg-mを発揮。

OM656型は排出ガスの浄化システムも万全だ。

排気は酸化触媒へ送られたあとアドブルーが添加され、sDPFとSCR触媒でさらに窒素酸化物処理能力を高めクリーンな排気を実現している。

なお、日本に導入されるSクラスのトランスミッションは9速ATの9Gトロニックで、駆動方式はすべて4WDの4マティックとなる。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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