メルセデス・ベンツA180 CDI ECO SE
公開 : 2014.01.09 21:50 更新 : 2017.05.13 12:51
■どんなクルマ?
メルセデス・ベンツが送り出す最も効率的なAクラスが、このA180 CDI ECO SEだ。その名前からも想像が付くように、ECOバッジに相応しいメカニカル部分の変更と化粧直しがされたモデルである。
A180 CDI ECO SEは、27.8km/ℓの燃費と92g/kmのCO2排出量を持つ。その結果、英国では会社に課せられる自動車税が13%も削減されるのだ。
A180 CDI ECO SEがベースとなったA180 CDI SEから変わった点は、よりエアロダイナミクスに優れたフロント・グリル、つるつるとしたボディ・アンダーパネル、フロントが10mm、リアが15mm下げられたサスペンション、高いギア、改善されたブレーキ・エネルギー回生システムと、小さな燃料タンクなどだ。
これらの変更がなされるが、そのルノーから供給されるディーゼル・エンジンのパワー、トルクは変更ない。また、0-100km/h加速のタイムやトップ・スピードにも変化はない。
■どんな感じ?
このA180 CDI ECO SEは、燃費スペシャルと言っても、その装備などをケチったモデルでは決してない。実際、他のAクラス同様シャープなルックスだ。また、そのドライビング・フィールも通常のAクラスと変わりない。ということは、つまりこのクラスでは最もシャープなドライビングと、確実なハンドリング、そして快適性の上にスポーティさを兼ね備えた乗り心地を持つということだ。
その乗り心地はAMGモデルとは異なり、不快なものではない。また、その205/55-16というサイズのタイヤもプラスに働いているようだ。
何よりの魅力はその経済性だ。A180 CDI ECO SEは、われわれの実地テストでも21km/ℓ台の燃費をマークした。
問題があるとすれば、その高いギア比まであげなければ収まらないやや騒々しいエンジン・サウンドぐらいだろうか。
■「買い」か?
アウディのA3やBMWの1シリーズよりも効率的なモデルだ。それだけでもプレミアム・ディーゼル・エコノミー・ハッチバックを望んでいる人にとっては候補に上がるクルマだ。しかも99g/kmのA3ほどではないにしろ、少なくとも116dよりはドライブ・フィーリングも良い。
しかし、このセクターには偉大なるモンスターがいる。フォルクスワーゲン・ゴルフ・ブルーモーションという存在だ。このゴルフは、A180 CDI ECO SEよりも経済的で、しかも価格は£1,000(17万円)以上安いのである。しかも、そのバッジはこのセクターにおいてはメルセデス以上の輝きを持って迎えられているのである。
(マーク・ティショー)
メルセデス・ベンツA180 CDI ECO SE
価格 | £21,965(380万円) |
最高速度 | 190km/h |
0-100km/h加速 | 9.9秒 |
燃費 | 27.8km/ℓ |
CO2排出量 | 92g/km |
乾燥重量 | 1389kg |
エンジン | 直列4気筒1461ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 108bhp/4000rpm |
最大トルク | 26.5kg-m/1750-2500rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |