【バイザー・グリルで一新】ヴォグゾール(オペル)・クロスランド 1.2へ試乗 小変更

公開 : 2021.02.20 08:25

コンパクトSUVのクロスランド。使い勝手の良さと運転のしやすさを、英国編集部は評価します。日本復帰予定のオペルを通じて、導入の可能性もありそうです。

ブランドの新しい顔、バイザーグリル

text:Matt Saunders(マット・ソーンダース)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
英国でのオペルヴォグゾールのコンパクト・クロスオーバーがフェイスリフトを受けた。同時にモデル名からは、あまり似つかわしくなかったXの1文字が消えている。ひと回り大きいグランドランドXには、まだ残っているが。

新しいクロスランドで注目を受けそうなのが、艶のある黒いパネルで塞がれたフロントグリル。ヴォグゾールとオペルのモデルに共通する新しいデザインスタイルで、メーカーはバイザーと呼んでいる。

ヴォグゾール(オペル)・クロスランド 1.2 ターボ130(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・クロスランド 1.2 ターボ130(英国仕様)

冷却に必要な空気の取り入れ口は、バンパー部分に集約されている。スタイリングがこれで良くなるかどうかはわからないけれど、純EVにはピッタリかもしれない。リア周りも含めて、変化を生んでいることは確かだ。

クロスランドに搭載されるエンジンは、2種類の馬力設定が与えられる1.5Lディーゼルと、同じく3種類の1.2Lガソリン。どちらも一番パワフルなエンジンには、ATが組み合わされる。

ヴォグゾールは、積極的に車内へデジタル技術を導入しようとは考えなかった。ステレオやエアコンの操作系は、実際に押せるボタンのままで扱いやすい。メーターパネルにも、シンプルで見やすいアナログメーターが残っている。

それでも、タッチモニター式のインフォテインメント・システムは搭載し、スマートフォンとのミラーリング機能に対応。オプションで、モニターのサイズは大きくできる。

活発なエンジンに引き締められた足まわり

ラジオの電源を切ったり、窓ガラスの曇りを取るのに、モニターを2・3回触れる必要はない。メーターパネルの表示を切り替えるメニューを探して、指が付かれることもない。

レーンキープ・アシストをオフにするボタンも、個別に付いている。このシンプルな操作系を評価するドライバーは多いだろう。

ヴォグゾール(オペル)・クロスランド 1.2 ターボ130(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・クロスランド 1.2 ターボ130(英国仕様)

今回試乗したのは、130psを発揮するガソリンエンジンのトップグレード。軽快で活発に回り、トルクも太い。高負荷時で回転数を上げると少し精彩には欠けるが、普通に走る限り4000rpm以上回す必要はないだろう。

ATの反応は少々鈍く、変速マナーも若干滑らかさに欠けるところがある。低回転域から充分にトルクは太いから、ATよりMTの方が筆者好みだった。

MTなら、自身でスムーズな変速をこなせるはず。上手に扱えば、優れた燃費も引き出せる。もっともクロスランドの場合、110ps仕様で充分だとも思う。

MTは不自然にストロークが長いものの、変速自体は滑らかでキチリと決まる。ほかの操縦系と同様に、動きは軽く扱いやすい。安楽な運転に寄り添ってくれる。

サスペンションは再設定を受け、低速域で乗り心地が若干引き締められた印象。大きめのコブなどを通過すると、はねつけるような揺れを感じる。しかし高速道路での安定性は高められているから、悪くないトレードオフといえる。

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