【マツダの真骨頂】マツダ3乗り比べ スカイアクティブD電動化に現実味

公開 : 2021.02.05 05:45  更新 : 2021.02.05 19:30

Xの進化、公道でもはっきり

試乗の順番は、X搭載のセダン2WD Lパッケージの旧モデル、新モデル。次いで、スカイアクティブD 1.8搭載のファストバックAWD Lパッケージの旧モデル、新モデルという4台(全車AT)だ。

試乗コースは、第一京浜を横浜駅方面に向かい、途中からみなとみらい地区を通り、首都高速で高速湾岸線~高速神奈川5号大黒線~高速1号羽田線を通る、40分前後の道のりだ。

マツダ3セダン
マツダ3セダン

まず、Xでは「力強さが増した」印象だ。

技術的には、エンジン気筒内の状況をより細かくセンシングし、EGR(排気再循環)の制御を高めてトルクを太くし、また、ATトランスミッションとエンジンとの連携を強めた。

また、市街地の乗り心地では明らかに路面からの突き上げが減っている。高速走行では、フラットライド感が増しているが、開発担当者は「Gベクタリングコントロールと、アクティブ・エアロシャッターの協調連携がしっかり効いているからだ」と解説する。

ハンドリングも、初期の切り出しからスッキリ感が増して、クルマ全体をコントロールしやすい。

筆者は、この商品改良モデルを2020年10月後半、マツダ美祢自動車試験場(山口県美祢市)で試乗しているが、その際と同様に公道でも改良ポイントがしっかりと体感できた。

次に、気になるディーゼルに乗った……。

「eスカイアクティブD」の現実味

ハンドリングについては、X搭載車と同じく切り出しからのスッキリ感が増している。

また、X搭載車との重量差、AWDでの前後重量バランス、またGベクタリングコントロールの制御方法の有無などが関係し、高速走行での乗り心地がX搭載車とは若干違うが、全般的に走りの上質感が増している。車体リアが積極的に曲がろうとするAWDの新たなる制御もしっかり体感できた。

スカイアクティブD
スカイアクティブD

キーポイントとなるエンジンだが、1500rpmから2000rpmでトルク感が増し、アクセルレスポンスが良くなり、市街地での走りがかなり楽になった。

そのうえで、あらためてスカイアクティブXのモーターによるマイルドハイブリッド機構による、低回転域の力強さを思い出した。

ディーゼルは低回転でトルクが太いとされているが、ディーゼル+モーター、つまりは「eスカイアクティブD」(筆者想定)は現実味があると感じた。

日本政府による2035年電動化を含む、世界のクルマの電動シフトの中で、秀作スカアクティブDは電動化によってさらに進化しうると感じる。

試乗後の、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点で行われた、広島本社とのオンライン意見交換会で、スカイアクティブD開発担当者は「シングルターボディーゼルとモーターとの相性は良い」という基本的な考えを示したが、eスカイアクティブD量産については明言しなかった。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事