【なぜ?】輸入車ランキングで日本ブランド健闘 知られざるトヨタの「輸入車」
公開 : 2021.02.09 05:45 更新 : 2021.02.09 21:59
2020年輸入車新車登録台数ランキングで日本メーカーが健闘しました。インポーターとしてのトヨタに着目します。
日本ブランドが大健闘
コロナ禍のもと、2020年1~12月の日本市場で輸入車は、約25万6000台が販売された。
前年比でいえば約85%。つまり、マイナス15%という販売成績だ。そのなかで注目したいのが、日本ブランドの健闘だ。
なんと上位10位のなかに2つも日本ブランドがランクインしたのだ。2020年の輸入車新車登録台数のランキングは、以下のようになる。
1位 メルセデス・ベンツ:約5万7000台(前年比85.7%)
2位 フォルクスワーゲン:約3万6600台(前年比78.2%)
3位 BMW:約3万5700台(前年比76.3%)
4位 日産:約2万4100台(前年比257%)
5位 アウディ:約2万2300台(前年比92.1%)
6位 トヨタ:約2万1300台(前年比96.9%)
7位 BMWミニ:約2万200台(前年比84.8%)
8位 ボルボ:約1万5500台(前年比83.7%)
9位 ジープ:約1万3600台(前年比101.7%)
10位 プジョー:約1万800台(前年比101.2%)
2社がトップ10入り
ここでの注目は4位の日産と、6位のトヨタだ。
なんと、ミニやボルボやプジョーといった人気ブランドより上位に食い込んだ。日産は、「ドイツ御三家」のアウディをも上回る好成績をおさめているのだ。
ちなみに、日産は前年比257%というように2020年に投入した新型SUV「キックス」が激増の理由だ。「キックス」はタイで生産されるため、輸入車扱いとなるからである。
一方のトヨタだが、実のところ輸入車ランキングで上位になるのは珍しい話ではない。過去10年以上にわたってトヨタは、常に6~7位のポジションをキープしていたのだ。
トヨタで売れている輸入3モデル
では、「トヨタの輸入車」には何があるのか? 2020年1~12月の内訳は以下のようになる。
GRスープラ:約2600台
ハイラックス:約6300台
ライトエース/タウンエース:約1万2100台
「GRスープラ」は、2019年より発売されたモデルで、生産はオーストリアにあるマグナシュタイヤー社が担っている。そのため当然、輸入車となる。年間2600台という数字は、マツダの「ロードスター」の年間販売が4~5000台という規模であることを考えると、けっこう微妙な数字といえるだろう。
一方、「ハイラックス」はタイで生産され、2017年より13年ぶりに日本市場に導入されている。アセアンなど新興国市場では大人気なモデルではあるが、日本におけるピックアップトラックはマイナー・カテゴリー。それを考えれば、相当に良い数字なのではないだろうか。
そして、トヨタの輸入車として最も数多く売れているのが「ライトエース/タウンエース」の商用車だ。このモデルは1970年代からつづく歴史のある商用車であったが、2008年のフルモデルチェンジで海外生産モデルを日本に輸入することになった。生産を担うのは、ダイハツのインドネシアの工場だ。