【一味違う?】あえてキャデラックSUVを日本で選ぶ 3つの理由を考察
公開 : 2021.02.11 05:45 更新 : 2021.10.13 12:05
今やSUVが中心
さて、ここからは日本におけるキャデラックの状況を見てみよう。
同ブランドは先日、日本で「XT4」という新型のSUVを発表した。
驚いたのはそのボディサイズだ。全長はわずか4600mmで、これはトヨタ「RAV4」と同等。キャデラックがこんなに小さな車体の、しかもセダンではなくSUVを出してくること自体が「隔世の感」である。
さらにXTシリーズは全長4855mmの「XT5」や5060mmの「XT6」も取りそろえてラインナップを形成。頂点には全長5382mm(新型の北米での値)を誇る「エスカレード」が君臨している。
いずれも日本においては多くの販売台数を期待できるモデルではない。とはいえそんな状況ながらも、北米と同様のSUVラインナップを日本でも揃えているGMジャパンは、好事家からすればありがたいと思わずにはいられない。
もちろん、日本におけるプレミアムSUVはキャデラックだけではない。日本発のブランドとして「レクサス」があるし、ドイツ勢は人気が高い。「メルセデス・ベンツ」、「BMW」そして「アウディ」も今やフルラインSUVメーカー化し、SUVがメインといわんばかりの勢いだ。
高級スポーツカーメーカーの「ポルシェ」でさえ、売れ筋はSUVとなっている。
そんななか、あえて日本で「キャデラック」を選ぶ理由はどこにあるというのだろうか……。
あえて「キャデラック」
その理由は、3つに集約されると筆者は考えている。
1つめは、アメリカン・ラグジュアリーの世界にどっぷりと浸れることだ。
アメリカン・ラグジュアリーといっても、それはかつてのようにユルいサスペンションにフカフカのシートのことではない。「プレミアム」にふさわしいインテリアの作り込みと、ギラつく世界観だ。
もっとも控えめなプライスとなる「XT4」であっても、本革シートを全車に標準装備するほかウッドパネルは本杢目で、加飾には本物の金属をあしらう。
さらに室内各所の手が触れる箇所にはふんだんにレザーを使うなど、しっかりとコストをかけ、手の込んだフィニッシングを実現している。「本物の素材を使うこと」はキャデラックのこだわりだ。
「XT5」以上になるとインパネやドアの杢目の面積の広さと、金属加飾の多さに驚く。ギラギラとした艶っぽさこそがアメリカン・ラグジュアリーの神髄であり、こんな煌びやかな空間は欧州のプレミアムSUVではちょっと味わえない。この独自の世界観こそがキャデラックを選びたくなる何よりの原動力だ。
2つめは希少性だ。
レクサスはもちろん、メルセデス・ベンツやBMW、そしてアウディやポルシェのSUVに比べてもキャデラックを街で見かけること少ない(SUVだけのカウントではないが、2020年のブランド別輸入台数はメルセデス・ベンツが5万7401台、BMWが3万5712台、アウディが2万2304台、ポルシェが7284台に対してキャデラックはわずか479台)。
一般的に服装はまわりと「カブる」ことを好まれないが、愛車に関しても同じ気持ちを持つクルマ好きも多いだろう。
キャデラックなら、レアケースを除き「カブる」心配はないといえよう。