【F1エンジン搭載】新型メルセデスAMGワン 走行シーン公開 1.6L V6ハイブリッド
公開 : 2021.02.04 18:25
メルセデスAMGワンの走行シーンが公開されました。F1の1.6L V6を電動化したハイパーカーです。
難題のエンジン開発を乗り越えて
メルセデスAMGは、新型ハイパーカー「ワン」の今年後半の納車開始に先駆けて、新たな公式映像を公開し、そのアクションを披露した。
映像では、プロトタイプのカラーリングをまとったAMGワンがテストコースを疾走する様子が映し出されており、エアロパーツとキャビンのデザインを詳しく見ることができる。また、メルセデスAMGの2021年のF1レーサーとして、「EQパワー+」に代わる新しい名称「Eパフォーマンス」を採用することも明らかにしている。
1000ps以上を誇るワンのパワートレインは、2017年のF1マシンに搭載されていた1.6L V6エンジンをハイブリッド化したもので、全輪駆動方式を採用している。
当初は2019年初頭に登場する予定だったが、延期の理由としては、性能を損なうことなくガソリン・パティキュレート・フィルターを使用してWLTP排出ガス基準に適合させるという難題に突き当たっていたものと考えられる。
F1ベースのエンジンのアイドリング回転数(レース仕様では約5000rpm)にも問題があった。エンジニアは1200rpm前後のアイドリングでユニットを適切に作動させるというタスクを課せられ、「途方もない挑戦」と呼ばれた。
テストは最終段階に近づき、テストコースでの実走が行われている。同社はインメンデンの試験場を使用して、「一般道を走るクルマのドライビング・ダイナミクスと性能の新次元に到達する」ことを目指している。
3億円近い価格で完売
開発目標には、エンジンが「日常的な性能を完璧に発揮する」ことや、電気のみで25kmの走行が可能になることなどが含まれている。ワンが最終的に、最高速度350km/h、0-200km/h加速が6秒というコンセプトの性能を実現できるかどうかはまだ明らかになっていない。
チューニングが完了すれば、ニュルブルクリンクで何らかのラップ・レコードに挑戦する可能性が高い。
ワンのデザインは、2017年のコンセプトカーを踏襲している。ルーバーやフロントウイングのエアアウトレット、リアスポイラーなどエアロパーツの調整に重点を置いたテスト走行を経て、最終的なスタイリングは変更される可能性がある。
生産仕様の公開日を含め、ワンの詳細はまだ明らかにされていない。しかし、納車開始は2021年中になると期待されている。
生産されるのはわずか275台で、価格は227万ユーロ(約2億8000万円)だが、すでに完売している。