【4モーターで1927ps】ピニンファリーナ・バティスタ 助手席試乗 0-300km/h加速12.0秒
公開 : 2021.02.06 10:25 更新 : 2021.05.18 16:19
フォーミュラEのマシンを彷彿とさせる
「モーターが1万7000rpmまで回るので、それが可能なのです」。とハイドフェルドが説明する間も、絶え間なく猛烈な加減速が続けられる。彼にとっては、いつものことなのだろう。
長いストレートの途中でドライブモードを切り替えると、ハイドフェルドはさらにアクセルペダルを踏み込んだ。すでに充分高速で走っているのに。
筆者の頭がヘッドレストに叩きつけられ、背中が背もたれに押し込まれる。ハイドフェルドは今までの数周、手を抜いて走っていたことを知った。
彼が選んだドライブモードの名前は、怒りを意味するフリオザ・モード。まったく別次元のパフォーマンスが開放される。
「ドライビング体験は、フォーミュラEのマシンを彷彿とさせるものです。しかも、加速はバティスタの方がさらに強烈。クレイジーですよね」。ハイドフェルドが笑みを浮かべる。
このバティスタは、リマックCツーと多くのコンポーネントを共有している。だがスロットルマッピングなどパフォーマンスを設定する重要な部分には、独自の設定が与えられているという。
加速だけでなく、減速力にも驚かされた。専用のブレンボ製ブレーキが、ずっと軽いクルマのように、一切の不安なく高速域からクルマを止める。ステアリングホイールのパドルで、回生ブレーキは2段階に強さを調整できる。
加減速以上に驚嘆する俊敏性
加減速以上に驚嘆したのが、バティスタの俊敏性。600kgもあるバッテリーは重心を低くするため、クルマの底部にレイアウトされている。それでも2200kgもあるクルマで、これほど激しくコーナーを攻められることが信じられない。
ターンインは、弾かれるような勢いでシャープ。ハイドフェルドは、ステアリングホイールを手首で軽く動かすだけだ。フロントノーズがコーナーの頂点目掛けて向きを変える。カーボンファイバーで作られた、モノコック構造の剛性も実感する。
旋回中のボディロールはほぼない。横方向へ掛かる力は強大だが、フラットでニュートラルな姿勢が保たれる。
ナルドのテストコースには、16のコーナーがある。そのすべてへ、バティスタは驚くほど速い侵入速度で突っ込んでいく。息を呑まずにいられない。
濡れた路面では、グリップ力の低下に合わせて操縦性も制限されるようだった。
ピニンファリーナ・バティスタのオーナーは標準のエアロパッケージか、ダウンフォースと安定性を一層高める、サーキット重視のパッケージかを選択できる。もちろん標準ボディのままでも、170万ポンド(2億8700万円)の資金が必要だ。
とても強烈な印象を残した助手席試乗だった。ピニンファリーナ・バティスタが特別なモデルになることは、間違いないだろう。