【トリプルモーターで503ps】アウディeトロン Sスポーツバックへ試乗 高度なEV技術に称賛

公開 : 2021.02.14 08:25

称賛すべき純EVの技術的な高み

直線加速は、この大きさの高性能な純EVとして期待通り。ポルシェタイカンほど速くはなく、四輪駆動のホットハッチ・レベルだ。

電気効率は、様々な交通条件が混ざりあった試乗で3.2km/kWh程度。実際に利用可能なバッテリー容量は86kWhで、1月の英国で走れる距離を計算すると約276km。少し残念な距離かもしれない。

アウディeトロン Sスポーツバック(英国仕様)
アウディeトロン Sスポーツバック(英国仕様)

さほど長く乗れないにしても、インテリアの高い質感と高度な技術を味わうことはできる。すべてが幸福感を与えてくれる。

スイッチ類の触感やタッチモニターの触覚フィードバック、鮮明なグラフィックなど、細部まで煮詰めてある。眺めているだけで楽しい。ただし160kmほど走っても、直感的に操作することは難しかった。

高性能なクルマを一般道で走らせても、動的性能の限界には迫ることすらできない。最高の走りを体験するには、サーキットへ向かうしかない。それは、eトロン Sスポーツバックでも同じこと。

eトロンのようなクルマの場合、どんな走りができるのかという、可能性を秘めていることが重要なのだろう。実際に試す人は多くない。マスタングでラインロックを効かせて、バーンアウトする人も限られるのだから。

アウディeトロン Sスポーツバックで称賛されるべきは、新種類のドライバーズカーを開発したことではなく、完成させた技術的な高みにあると感じた。

大多数のドライバーにとって、ツインモーターのeトロン 55スポーツバックで不足を感じることはないだろう。小柄で軽量なボディにこの技術を搭載したアウディの登場を、心待ちにしていたい。

アウディeトロン Sスポーツバック(英国仕様)のスペック

価格:8万9450ポンド(1252万円)
全長:4901mm
全幅:1935mm
全高:1616mm
最高速度:210km/h
0-100km/h加速:4.5秒
航続距離:347-379km
CO2排出量:−
車両重量:2695kg
パワートレイン:トリプル同期モーター
バッテリー:95kWh
最高出力:503ps
最大トルク:99.0kg-m
ギアボックス:−

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