【英国価格はアウディA4並み】ジャガーXFスポーツブレーク D200へ試乗 マイルドHV 前編
公開 : 2021.02.15 08:25
マイルドHVの2.0Lディーゼルを積むXF D200。上質なハンドリングと洗練されたインテリア、手頃な価格が強く後押しすると、英国編集部は評価します。
英国ではアウディA4に並ぶ価格へ
ジャガーXFに与えられた大胆な合理化で、英国での販売価格は大幅に引き下げられた。ボディスタイルはサルーンとステーションワゴンが選べる。だがエンジンは3段階、トリムグレードは4種類からしか選べない。
価格で見れば、同等エンジンのアウディA6は比較対象ではなくなった。今回試乗したマイルド・ハイブリッド(HV)・ディーゼルを搭載したスポーツブレーク D200は、英国ではアウディA4アバントのTDIのSラインより5000ポンド(70万円)も安い。
商談では、これ以上の値引きは期待できないだろう。それでも、充分に魅力的な価格設定といえる。
ジャガーはXFのおかれた立場を、正しく理解したのかもしれない。欧州では多くのビジネスユーザーがSUVへシフトしている。それ以外の人でも、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)を含む、電動化技術を搭載したモデルへ移行し始めている。
XFにはPHEVの設定はない。恐らくこのまま搭載されないはず。それでも会社からの貸与車両を含む、多くのドライバーの注目を集めたいとジャガーは考えている。もうしばらくはこの価格で、純粋なエンジンモデルでも必要な収益は得られるのだろう。
今回の試乗車に搭載される2.0L 4気筒ディーゼルターボ、インジニウム・ユニットは、XFのモデルレンジのなかでは最も経済的で価格も安い。WLTP値で燃費は19.2km/Lがうたわれており、CO2の排出量は137g/kmに抑えられている。
別のモデルと思えるほど車内は一新
通常、モデル中期に施されるフェイスリフトは、バンパーの形状が変わったり、ステレオの装備が良くなったり、といった程度のことが多い。でもXFは違う。一新したインテリアは、もはや別のモデルになったと思えるほど、大きく生まれ変わっている。
ドアを開くと、上品に艶が落とされた、造形豊かなクロームトリムが目に飛び込んでくる。そのまま車内を観察すれば、普段目が行かないような薄暗い部分でも、同等の知覚品質が与えられていることに気づく。
ステアリングホイールやセンターコンソールにレイアウトされたボタン類は、従来にないほど整然と並び美しい。小物入れの質感なども、今までとは隔世の差がある。ここまできれいに組み上げられてはいなかった。
パワーウィンドウのスイッチも、上質なクローム仕上げ。ステアリングホイールのボタンも、触れたくなる雰囲気を放っている。
ピヴィ・プロと呼ばれるジャガー製インフォテインメント・システムは最新版で、モニターは正方形に近い縦横比の11.4インチ。わずかに中央が膨らみ、ダッシュボードのカーブを反復しているように見える。
このモニターはエントリーグレードでも標準装備で、ソフトウエアの完成度は高く、とても扱いやすかった。2時間の試乗の間、特に不満を感じないほど。ただし、メーターパネルに埋め込まれた高精細なワイドモニターは、中級グレード以上での採用となる。