【BMW初のFFホットハッチ】BMW 1シリーズ 128tiへ試乗 血統感じる楽しさ 前編
公開 : 2021.02.16 08:25
深く煮詰められたシャシー設定
BMWによれば、安定性に優れる四輪駆動のM135iと同じ設定は、前輪駆動の128tiにはアグレッシブすぎると考えたらしい。一貫性を備え充足感の高いハンドリングに、肝を冷やすようなスリルさは必要ない、というわけ。
それだけにフロント側へ与えられた設定は、より深く煮詰められている。M135iに付いているフロント側のアンダーボディ・ブレースは128tiでは装備されない。そのかわりリア側へ追加され、ボディ剛性の分布を後ろ寄りに移している。
アンダーステアを抑えることが容易になり、リアタイヤの自由度も増す。サスペンション設定も見直され、四輪でトーインを減らし旋回時のレスポンスを高めてある。
シャシーに与えた変更を調和させるべく、電動パワーステアリングのレシオは、M135iより若干遅くしてある。これらが融合し、弾くようにシャープな操縦性でありながら、不必要な動きをなだめてある。
加えて、M135iより80kgも軽いことも特長。馬力は264psへ落ちているが、パワーウエイトレシオは183ps/tで、17ps/tの減少に留まっている。
ちなみに、ゴルフGTIの最高速度は245ps。一方で、ホンダ・シビック・タイプRは320ps。パワーウエイトレシオは232ps/tもある。
四輪駆動ながら、306psのメルセデスAMG A 35のパワーウエイトレシオは196ps/tで、128tiと近い。あくまでも計算上の数字だが、動的性能の比較にはなる。BMW 128tiもホットハッチとして悪くない位置にいることがわかる。
スペック的なお勉強はこのくらいにして、128tiのドアを開いてみよう。インテリアを覗くと、驚く人もいるだろう。
この続きは後編にて。