【SUV市場を変えるか?】ルノー・キャプチャー新型の戦略とは 差をつける1台 グレード/内装/走りを検証
公開 : 2021.02.12 12:07
インテンス・テックパックに試乗
全面刷新されたキャプチャーの走りは、大きく進化しているが、実は、ルーテシアとも走りの味付けは異なる。
まずステアリングのギア比が、先代キャプチャーよりも約10%クイックなこと。これは大型化したボディでもBセグらしい取り回しの良さを与えるのが狙い。ただ初めから大きくタイヤが切れるので、少々慣れが必要だ。
それではパワーアップを含め、ルーテシアよりもスポーティなキャラ付けかと言えば、そうでもない。アクセルレスポンスやギア変速も、やや落ち着きある味付けとなっており、思ったよりもどっしりと構える。
足もやや硬めな印象を受けた。ただ現状でも不快さはなく、これらはSUVらしい安定感ある走りを重視したセッティングによるものなのだろう。それだけに、ややクイックなステアリングも気になるのだが……。
着座位置は、ルーテシア同様のデザインもあって、ドライバーに高さを意識させないが、フローティング構造のATシフトからも分かるように、若干高められてる。
そのため、前方視界も良好。Bセグ感覚を維持しながら、最大化を狙った戦略の上手さを感じさせるところだ。
それでいて欧州車らしいしっかりとした走りを受け継いでいるのだから、今後、BセグSUVの存在感はより高まっていくのは当然で、日本のルノー販売でもキャプチャーの活躍が期待される。
日本市場で戦える新世代ルノー
そんな新型キャプチャーは、日本で求められるルノー小型SUVのニーズに、見事にハマる1台だろう。
充実した装備を誇り、しかも内外装の質感は先代から飛躍的に向上している点も魅力的だ。
個人的には、アクティブな小型SUVに、レザーシートはマストとは思えないので、「インテンス(299万円)」で十分。ロングドライブではステアリングアシストの恩恵は大きいので、これが省かれることだけが惜しい。
しかし、個人的には、将来的には全着になるのではと睨んでいる。
ともあれ、300万円切りの輸入車で、この内容ならお買い得。オプションだって、フロアマットとETCを付ければ十分なほど。
ただフレンチコンパクトらしい軽快な走りを望むなら、ルーテシアにも目を向けるべきだろう。そのくらい新世代のルノーのキャラクターは差別化されているのだ。
新型キャプチャー スペック
ルノー・キャプチャー・インテンス・テックパック
価格:319万円
全長:4230mm
全幅:1795mm
全高:1590mm
燃費:17.0km/L(WLTCモード)
車両重量:1310kg
パワートレイン:1333cc直列4気筒ターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:154ps/5500rpm
最大トルク:27.5kg-m/1800rpm
ギアボックス:7速DCT
乗車定員:5名