【リーフとの共通項は?】日産eパワー多モデル化へ 排気量拡大も視野?
公開 : 2021.02.17 05:45
販売好調の日産ノート。その原動力となったeパワーにまつわる気になる話が……。eパワーは今後どうなる?
気になる話……
「eパワーのユニットバリエーションを増やすべく、現在開発中だ」
日産の技術関係者が興味深いことをいった。
2020年12月に日本国内で発売された新型ノート。発表前に横浜市内の日産スタジアムで報道陣向けの車両説明と、停止した状態での車両の撮影会がおこなわれた。
そして2021年2月に入り、新型ノートの技術陣と報道陣との意見公開会がオンライン会議システムを使っておこなわれた。前述のコメントは、その際に筆者(桃田健史)から日産側への質問に対する回答の中で出た。
eパワーは、実質的なシリーズ・ハイブリッド機能で、エンジン、インバーター、モーター、小型のリチウムイオン二次電池パックでパワーユニットを構成するものだ。
2016年にノートの商品改良で世界初導入されたeパワーは、市場関係者の予想を大きく超える大ヒットとなった。2018年1月~12月の国内販売台数が13万6324台となり、ライバルのアクア、そしてプリウスを抑え、日産史上初となる乗用車年間ナンバー1を獲得した。
ノートeパワーが売れた理由は、ハイブリッド車の王道であるトヨタと比べて、よりEVに近い走行特性が挙げられる。
今回のフルモデルチェンジでは、初代ノートeパワーに対するユーザーや販売店からの声を十分に加味し、「よりEVに近い力強い上質な走り」を実現した。
先代との大きな差
先代ノートeパワーに対して、市場からさまざまな声があったようだが、筆者が気になったのは大きく2点。
乗り心地/ハンドリングと、エンジンのかかる頻度についてだ。
乗り心地/ハンドリングについては、日産がVプラットフォームと呼ぶ車体が他社を比較するとすでに古い世代の印象があり、先進的なeパワーとのバランス感が課題だった。
新型ではルノーが主体で開発した、CMF(コモン・モジュール・ファミリー)のBセグメント・プラットフォームをベースに刷新し、走りの質感を上げた。
また、エンジンのかかる頻度については、先代から継承している電池容量約1.5kWhのリチウムイオン二次電池パックについて「もっと積極的に電池を使う」方向で制御方法を根本的に見直した。
制御面のみならず、ハードウエアも変わり、日産は第2世代eパワーと呼ぶ。
初代eパワーは、先代ノートとセレナに採用し、第2世代に向けた改良型を日本初導入となったキックスで採用してきた。第2世代では、インバーター自体を40%小型化、33%軽量化し、さらに排気量1.2LのHR12エンジンと一体化させている。
こうしたeパワーに刷新を受けて、日産のこれからのeパワー戦略について今回、オンラインで開発担当者らに聞いた。そのなかで……。