【まだ違法?】米でスカイラインGT-R R34走行 25年ルール解禁前 輸入方法「ショウ or ディスプレイ」とは

公開 : 2021.02.15 05:45  更新 : 2022.03.25 18:50

「ショウ or ディスプレイ」という輸入方法

アメリカにおけるスカイラインGT-Rの販売や「ショウ or ディスプレイ」の事情に詳しいトップランクUSAに聞いてみたところ、「モトレックスはMスぺ・ニュルを輸入したことはありません。だからこれはモトレックスの車両ではありませんね。おそらくは『ショウ or ディスプレイ』という方法で輸入されたものだと思われます」

「違法輸入の可能性も捨てきれませんが……」という回答を得た。

「ショウ or ディスプレイ」という輸入方法で「SOLD」となったMスペ・ニュル
「ショウ or ディスプレイ」という輸入方法で「SOLD」となったMスペ・ニュル

「ショウ or ディスプレイ」とは1999年8月13日に発効したNHTSAのルールで正式名称は合衆国法典第49編30114条(特別な免除)となる。

現在、NHTSAが公開している最新の「ショウ or ディスプレイ」車種リストは2017年のもので、ここには3車種のスカイラインGT-Rが掲載されている。

その3車種とは、1990年発売の「ニスモR32スカイラインGT-R」(VIN BNR32-100000からBNR32-100562)、2002年発売の「R34スカイラインGT-R Mスペック・ニュル」、1999年発売の「スカイラインGTR R34 Vスペック・アーリーモデル限定版」である。

2014年のリストにはMスペック・ニュルの掲載はなかったので2014年から2017年までの間に、誰かがMスペック・ニュルを「ショウ or ディスプレイ」での輸入を申請し、認可を受けたということだろう。

ちなみに日本車は自動二輪のホンダNR750(1992年発売)を含め、1992年発売の「スバル・バージョンLアルシオーネSVX 4WS」(北米仕様に4WS設定なし)、1998年発売の「スバル・インプレッサ22B STI」、1994年から1995年発売の「マツダ・ユーノス JCES コスモ・シリーズII」の4車種。

なお、「ショウ or ディスプレイ」はあくまでもFMVSS(米国保安基準)について免除されるということで、この他にEPA(排ガス試験)基準をクリアする必要がある。EPAは製造から21年経過したエンジンを搭載したクルマは免除対象となる。

認可される車種の条件を見ていこう。

認可されるための条件は?

具体的に、「ショウ or ディスプレイ」で認可される車種の条件は以下となる。

「1.歴史的かつ技術的に価値のあるクルマである」、「2.生産台数が500台以下」、「3.レプリカではない」、「4.製造時と同じエンジンでチューニングや大きな改造をおこなっていない」など。

「ショウ or ディスプレイ」での輸入が許可されたクルマ
「ショウ or ディスプレイ」での輸入が許可されたクルマ

また、「ショウ or ディスプレイ」として輸入を許可されたクルマはアメリカでの年間走行距離を2500マイル(約4000km)以下に制限される。

原則として、走行できる範囲は「ショウ or ディスプレイ」をおこなうための場所の周辺と自宅(会社、ディーラー、店舗など)との往復、整備や修理のための移動に限られるとしているが、走行範囲に関して実際はそこまで厳しくはないようだ。

2017年に公開されたリストには全部で62台の車両が掲載されている。この中にはすでに25年ルールで解禁となったクルマも含まれている。

記事に関わった人々

  • 加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。

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