【世界初公開】マクラーレン・アルトゥーラ PHEVの新型スーパーカー “超軽量”の哲学、いかに実現するか?
公開 : 2021.02.17 09:15 更新 : 2021.07.27 14:51
アルトゥーラ PHEV/モード設定
モーターの動力となるバッテリーパックは、5個のリチウムイオン・モジュールからなり、使用可能な最大電力量は7.4kWh。
純粋なEV航続可能距離は30kmとなる。
バッテリーは冷却レールを使った冷媒冷却方式。バッテリー電力を車両後方からフロントの補機類に伝送する配電ユニットも含めたアッセンブリーは、構造の一部を成すカーボンファイバー製フロアにマウントされる。これをモノコックのリア底部にボルト付けすることで、剛性や重量配分、衝突保護性能を最適化するという手法をとった。
アルトゥーラは完全なプラグインハイブリッド(PHEV)機能を備え、標準的なEVSEケーブルを使い、2時間半で80%の充電が可能。また、選択した走行モードに応じて、走行中に内燃エンジンからバッテリーに充電することもできる。
パワートレインの設定は4モードから選択でき、そのうち「Eモード」では電気のみを使うEV走行を実現。
多様なドライビングシーンに対応する「コンフォートモード」では、走行距離と効率性を最大化するため、ストップ&スタートモードの使用を拡張し、40km/h未満では内燃エンジンを停止。速度とパワーが求められる際は段階的にエンジンを利用する。
「スポーツモード」「トラックモード」では、低速域のレスポンスと加速のために、電力をよりアグレッシブに用いる(トルク・インフィル)というシステムだ。
アルトゥーラ 外観
アルトゥーラの外観についても確認していこう。
いかにもスーパーカーらしい低いノーズに、キャブフォワード、ハイテールのスタンス。マクラーレン特有のディへドラル・ドアは、よりボディに沿って開閉し、ミラーはタイトに折りたたまれて格納され、ドラマチックな雰囲気を演出。
あたかも “シュリンクラップド(包装)” のようなスタイリングのアルトゥーラは、マクラーレンの新たなデザインアプローチを表している。
全体的なフォルムは、空力性能と冷却のために気流を整え、パフォーマンスを最大化するよう造形され、「すべてのものに理由がある」というマクラーレンのデザイン理念がうかがえる。
その一例がフロント・スプリッターの中央部分で、eHVACシステムの吸気口とともに、オプションのADASパッケージのフロント搭載レーダーを配置する。
また、アルトゥーラは当初から、魅力的なドライビングと最高レベルの運動性能という、マクラーレンのコアとなるキャラクターを意識して設計された。
公道/サーキットの双方で突出したパフォーマンスを発揮しながら、EVモードで市街地を静かに走行する洗練性も持ち合わせている。
マクラーレンのエンジニアが重視した点は、ブレーキング時の安定性、リアエンドのコントロール性、グリップの増強、空力ダウンフォースの最適化、そしてドライバーとの一体感の強化なのだ。
そのキーとなる、車内の様子についても確認しておこう。