【ファミリーカーにもなる】BMW 4シリーズ(2) 長期テスト 子ども2人と苗木200本
公開 : 2021.03.06 09:45 更新 : 2021.07.12 18:55
SUVが主役となった自動車市場に、2ドアクーペの居場所はまだあるのでしょうか。長期テストで、最新BMW 4シリーズの実力を英国編集部が確かめます。
積算2172km BMWから新年の挨拶メッセージ
だいぶ以前のことだが、2021年になって初めてBMW 420dクーペを始動しセンターモニターを見ると、BMWから新年の挨拶メッセージが届いていた。
少し人工的でコンピューターが自動生成したようにも思えたが、新型コロナで退屈な1年の始まりだっただけに、気分を良くしてくれるものだった。この調子で、明るいニュースをお届けできれば、と思う。
積算2510km 4シリーズはファミリーカーになるか
近年、クーペモデルの売れ行きは低調だ。BMWのデータが裏付けている。2017年と比べて、2019年に売れた4シリーズは明らかに少ない。先代がモデル末期に近づいていたなど、いくつかの事情はあるにしろ。
筆者としては、この傾向にはストップをかけたいところ。エレガントなデザインの2ドアクーペがこの世から消えてしまったら、世界は今よりつまらないものになってしまう。しかも運転する喜びも、ほかのボディタイプより概して高い。
クーペは実用性に欠けると考えているのだろうか。確かに多くのユーザーは、自分のライフスタイルに合うクルマを求め、より大きなボディを選びたがる。
そこで今回は、BMW 420dクーペがファミリーカーになるかどうか検証してみた。それを確かめる方法として、200本の苗木を運ぶという内容がベストだったかどうかは、わからないけれど。
沢山の荷物も積みやすいパッケージング
筆者の友人が農園に沢山の苗木を植えたいと話していて、BMW 4シリーズに乗って手伝うことにした。ファミリーカーとしてのテスト精度を高めるため、2人の子どもにも同行してもらった。
長男は、インフォテインメント・システムのジェスチャー・コントロールに夢中だ。その日も4シリーズの車内で、ずっとラジオのボリュームを上げたり下げたりしていた。クルマが嫌に感じないか、心配したほど。
苗木が並ぶ場所についた時は、ほっとした。本当にまだ子どもの木だった。大部分の樹高は30cmくらいで、すべてがビニール袋に包まれている。4シリーズのカーペットが敷かれた荷室を汚す心配もない。
クルマへ積むのも簡単。少し体を伸ばしてレバーを引っ張れば、リアシートの背もたれが折りたたまれる。完全には平らにならないものの、だいぶフラットな空間ができる。
開口部も大きく、1.5m位ある木はトランクスルーで積める。60:40で分割可倒式だから、リアシートにチャイルドシートを残したままでも大丈夫。枝が横に伸びて、少しくすぐったいようだったが。
BMW 420dクーペの荷室容量は440Lある。3シリーズのセダンは480Lで、ツーリングはトノカバー下で550Lだから、大幅に小さいわけではない。荷室には小さなフックが付いていて、小さなかばんも引っ掛けておけば走行中に暴れることはない。