【F1撤退後も技術は残る】レッドブル、ホンダのV6ハイブリッド技術使用継続 新会社設立
公開 : 2021.02.16 06:25 更新 : 2021.07.12 18:31
レッドブルはホンダのF1パワーユニット技術の使用を継続すると発表。期間は新ルール導入の2025年まで。
パワーユニット開発凍結を受けて
レッドブル・レーシングは、ホンダがF1から撤退した後も、同社が開発したエンジンを引き続き使用すると発表した。
F1では2022年初めからエンジン開発を凍結する発表されたばかりだ。2025年に次のエンジンルールが導入されるまでは、V6ターボ・ハイブリッド・パワートレインはそのまま使用されることになる。
レッドブルは、ホンダがF1から撤退すると発表して以来、この動きを推し進めてきた。ホンダの技術を引き継ぐことで、チームは当面の間、ライバルメーカーからパワーユニットを購入することなく競争力のあるマシンを走らせることができるようになる。
レッドブルのチーフであるヘルムート・マルコは、次のように述べている。
「ホンダとはこの件について長い間話し合ってきました。FIAが2022年以降のパワーユニット開発凍結を決定したことを受け、ホンダのハイブリッド・パワーユニットの継続使用でようやく合意に至りました」
このエンジンはレッドブルの姉妹チームであるアルファタウリでも使用される予定で、新会社レッドブル・パワートレインズ・リミテッドがミルトンキーンズでの生産を監督する。
「レッドブル・パワートレインズ社の設立は大胆な動きですが、慎重かつ詳細に検討した結果の1つです。わたし達は膨大なコミットメントが必要であることを認識していますが、この新会社の設立が両チームにとって最も競争力のある選択肢であると確信しています」
ホンダに「感謝」のレッドブル
2004年にジャガーからチームを引き継いで以来、レッドブルにとってエンジン生産を自社内で行うという決断は大きな転換を意味する。
レッドブルは2010年から2013年までルノーのエンジンを使用して4年連続でコンストラクターズ・チャンピオンシップを制覇しており、その間にセバスチャン・ベッテルがドライバーズタイトルを獲得している。
しかし、ルノーとの関係は険悪になり、2019年にはホンダのパワーにスイッチ。その後も数多くのレースで優勝しているが(昨年はアルファタウリがセンセーショナルに1勝している)、ホンダは昨年10月、バッテリーと水素燃料電池技術に集中するためにF1から離れることを明らかにした。
レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、「ホンダがエンジンメーカーとしてF1から離れるという決断をしたとき、わたし達は当然のことながらがっかりしましたが、今回の新たな合意を後押ししてくれたことに感謝しています」と語った。
「わたし達は今、パワーユニット部門を社内に導入し、新しい施設と人員をテクノロジーキャンパスに統合する作業を始めています。それまでの間、パワーユニットのオフィシャル・サプライヤーとしてのホンダの最終シーズンに向け、可能な限り最高の結果を出すことに全力を注いでいます」
新シーズンは、オーストラリアGPが新型コロナウイルス感染拡大防止のため渡航制限により延期となったことを受けて、3月28日にバーレーンで開幕する予定だ。マックス・フェルスタッペンは、アレックス・アルボンに代わりチームメイトとなったセルジオ・ペレスとともにドライブすることになる。