【ジャガーはEV専用に】ジャガー・ランドローバー 新戦略「Reimagine」発表 電動化重視
公開 : 2021.02.16 18:05
JLRは電動化の推進と事業再編を目指す新戦略を発表しました。両ブランドに大きな変化の波が訪れています。
「量より質」の高級ブランドへ
ジャガー・ランドローバー(JLR)は新事業戦略「Reimagine」を発表した。その一環としてジャガーは、2025年以降は電動モデルのみのブランドになることを目指している。
インドのタタ・モーターズ・グループが所有するJLRは、電動化への大規模なシフトとともに、2039年までに脱炭素を目標に掲げている。新CEOのティエリー・ボロレによると、現在のところ既存の生産施設を閉鎖する予定はないという。
ジャガーは2025年以降、高級EV専用ブランドとなる。ランドローバーは今後5年以内に6台のEVを発売する予定で、その1台目は2024年に登場する。
ボロレCEOは、Reimagine戦略は「量より質」を追求するためのものであり、JLRは「目の肥えたお客様にとって最も望ましいメーカー」になることを目指していると述べた。
ジャガーはEVのみのブランドになり、ランドローバーはオフロードの精神を維持しながらも、アップマーケットへの進出を続ける。「ジャガーとランドローバーは、豊かな歴史に根ざした明確な個性を持ち、お客様に2つの選択肢を提供することになります」とボロレ。
プラットフォームは共有せず、差別化に
JLRは電動化への移行を促進するため、ランドローバー向けに2種類、ジャガー向けに1種類の計3種類のプラットフォームを使用する予定だ。
ジャガーは新しいBEV専用プラットフォーム一択で、ランドローバーは内燃機関とEVに対応した「MLA」と、EV優先の「EMA(エレクトリック・モジュラー・アーキテクチャー)」の2種類を採用する。
3種類のプラットフォームに移行し、各工場で生産されるプラットフォームとモデルの数を統合することで、「高級車部門の規模と品質における新たなベンチマークを確立する」ことが可能になるとしている。
これは、英国をはじめとする世界各地の工場を維持するための鍵になるという。
JLRは今後10年で、ジャガーの販売の100%とランドローバーの販売の60%を完全電動化することを目標としている。ボロレは、将来のラインナップは人気の高いモデルに焦点を当てているため、モデル数が減ることを示唆した。
ボロレはまた、2026年までにディーゼル・パワートレインを段階的に廃止することを約束しており、水素燃料電池技術への多額の投資を行っているとも述べた。今年末には同社初のFCEV技術を搭載したテスト車両が公道を走る予定だ。