【なぜ日本は後回し?】トヨタ、欧米でEV量産計画発表 相次ぐワケ
公開 : 2021.02.23 20:45
トヨタが欧米で相次いでEV量産計画を発表しています。なぜお膝元の日本市場は後回しにされているのでしょうか。
中国、欧州、今度はアメリカ
なぜ日本は後回しなのか?
中国、欧州、そして今度はアメリカだ。これは、トヨタの量産型EVのことである。
北米トヨタは2021年2月10日にニュースリリースを出し、2021年中にBEV(バッテリー・エレクトリック・ビークル)を2モデル、そしてPHEV(プラグインハイブリッド)を1モデル、合計3モデルの新型電動車をアメリカ向けに導入すると発表した。
導入の理由としては、トヨタがグローバルで進めているアクションプラン・トヨタ環境チャレンジ2050の一環であると説明している。
これを受けて、北米トヨタの上級副社長のボブ・カーター氏は「25年近くに渡りプリウスを培ってきた電動化技術を活かし、これからもトヨタは電動化のリーダーであり続ける」と、新たに加わる電動車ラインナップの重要性をアピールした。
そして具体的な数値も示した。
現状で、トヨタはアメリカの代替燃料車(ガソリンを使用するハイブリッド車を含む)市場のシェアは40%以上。このなかでは、燃料電池車のシェアが75%、またハイブリッド車とプラグインハイブリッド車ではシェア64%だという。
これを2025年までに、トヨタのアメリカ新車販売で電動化率を40%、そして2030年までに70%近くまで引き上げることを目標として掲げた。
では、新規導入の3モデルとは何か?
その影響は日本にもあるのか?
既存車EVコンバージョン
今回の北米トヨタのニュースリリースには、BEVもプラグインハイブリッド車も具体的なモデル名は公表されていない。
そこで、現状の北米トヨタラインナップを前提として、新導入の電動車3モデルを筆者が予測してみる。
まず、プラグインハイブリッド車については、ミッドサイズSUVのハイランダーが最有力候補だ。
ワンサイズ小さいRAV4には、北米モデル名RAV4プライム(日本名:RAV4 PHV)があり、ハイランダー・プライムの登場が考えられる。
次に2モデルのBEVについては、複数の可能性があると思う。量産が確実におこなえるのは、すでに中国で導入しているC-HR EVと、その電動化ユニットを共有するレクサスUX 300eだ。
もう1つ、SUVで考えるとRAV4 EVという考えも当然出てくる。
これまで北米トヨタは2世代のRAV4 EVを導入し、そのうち2代目はテスラに開発を依頼し製造はトヨタのカナダ工場でおこなったからだ。
現状でトヨタとテスラとの連携は基本的に解消されており、仮に新型RAV4 EVが誕生した場合、開発から製造まで一括してトヨタがおこなうことになるはずだ。
ただし、このタイミングで既存の車体構造であるTNGAを用いたEVを、さらに増やすという発想を、果たしてトヨタが持つかどうかは多少疑問が残る。
なぜならば、EV専用プラットフォーム、e-TNGAの量産準備が進んでいるからだ。