【走行中にボディ変形】ロータス 新型コンセプト「E-R9」発表 イメージは2030年のル・マン参戦マシン
公開 : 2021.02.17 18:25
ロータスがコンセプトカー「E-R9」を発表しました。デルタ翼の航空機のようなデザインが特徴的です。
エヴァイヤのデザイナーが設計
ロータスは2030年の耐久レースマシンをイメージした新型コンセプトカー「E-R9」を発表した。
エヴァイヤのデザイナーでもあるラッセル・カーがデザインしたE-R9は、デルタ翼のようなボディと航空機風のコックピットが特徴で、「一部はクルマ、一部は戦闘機」のようになっている。
車名のE-Rは「耐久レーサー」の意味で、ロータス初のル・マン参戦マシンに敬意を表して「9」の番号をつけた。ロータス・エンジニアリングのコンサルタント部門が手がけたもので、将来的に実装される可能性のある機能や技術を紹介している。
今のところはバーチャルなデザイン・スタディだが、空力設計の責任者であるリチャード・ヒルは、このコンセプトには「開発・実用化が期待される技術が取り入れられている」と語っている。
アクティブ・エアロ・ダイナミクスの概念を発展させたボディパネル「モーフィング」を使用することで、空力性能を最適化。走行状況に合わせてボディ形状を効果的に変化させることができる。
この機能は、「ボタンを押すだけ」で作動させることも、内蔵センサーのデータに基づいて自動的に展開させることも可能だ。
ロータスによると、この形状変化機能により「ストレートでは抵抗を最小限に抑え、コーナーでは最大のダウンフォースを得ることができる」という。
ピットでバッテリーを素早く交換可能
パワートレインなどの詳細は明らかにされていないが、2000psのエヴァイヤにならって、各ホイールに高出力の電気モーターを搭載し、最適なトラクションとトルクベクタリング機能を実現していることがわかっている。ロータスは、E-R9のパワートレインは「移動中に完全に調整可能」だと語った。
また、バッテリーを素早く交換できるように構造も工夫されている。現在、フォーミュラEで使用されているような電動レースカーは、航続距離が限られており、充電時間も長いため、従来の耐久レースでの使用は考えられない。
使い果たしたバッテリーを素早く取り出して、満タンのものに交換することができれば、従来のマシンのように迅速なピットストップを可能にし、レースタイムを最大化できるだろう。
エヴァイヤを担当するプラットフォームエンジニアのルイス・カーは、次のように述べている。
「バッテリーのエネルギー密度と出力密度は年々大幅に向上しています。2030年までには、両方で最高の性能を発揮するバッテリーと、ピットストップ中のバッテリーの”ホットスワップ”が可能になるでしょう」
ロータスはE-R9の実物大モデルを作る予定はないものの、2030年はル・マンデビュー75周年を迎えるとしている。