【詳細データテスト】レンジローバー・イヴォーク 重さを感じない乗り味 常用域では上品でパワフル

公開 : 2021.02.20 20:25

意匠と技術 ★★★★★★★★★☆

エクステリアは、先代よりもむしろ突出したところが少なく、より洗練されたラインやデザイン要素と、目を引くディテールを備えている。それでも、おそらく基本的なボリュームや各部の角度、プロポーションは見慣れたもので、少なくともわれわれの目には、今回もスター性のある魅力的なクルマに映る。

新型イヴォークの主なサイズは、先代と5mmと違わない。プラットフォームはプレミアム・トランスバース・アーキテクチャーと銘打たれたもの。スティール素材が主体で、先代のD8プラットフォームをベースに開発されたが、48Vマイルドハイブリッドやプラグインハイブリッド、さらにはフルEVにまで対応できるよう再設計されている。いずれ、それらすべてがイヴォークのラインナップに加わることだろう。

充電ポートは左側のリアフェンダーに配置され、充電ブースに頭から駐車する必要がないのはありがたい。反対側には給油口がある。直流急速充電は32kWまで対応する。
充電ポートは左側のリアフェンダーに配置され、充電ブースに頭から駐車する必要がないのはありがたい。反対側には給油口がある。直流急速充電は32kWまで対応する。    OLGUN KORDAL

エンジンは直列ユニットをフロントに横置きし、ほとんどの仕様ではクラッチ式のアクティブ・ドライブラインこと四輪駆動システムと、トルクコンバーター式ATを搭載。ただし、163psのディーゼルユニットを積むエントリーモデルのD165は、現時点で唯一、前輪駆動のMT仕様だ。

2019年のエンジンラインナップ変更で、ディーゼルは240ps版が廃止され、163~204ps、ガソリンは200/249/300psとなった。それらは全車とも48Vマイルドハイブリッド仕様で、効率を大幅に高める電装系が備わる。

これに加わったのが、今回のP300eだ。インジニウムの新機種である1.5L直3ガソリンターボにアイシン製8速ATとベルト駆動のスターター/ジェネレーターモーターをフロントに、108psの交流同期モーターを左右後輪の間に搭載し、前後輪それぞれを駆動する。システムとしての最高出力は308ps、最大トルクは55.0kg-mだ。

駆動用のリチウムイオンバッテリーはグロス15kWhで、競合するPHEVの多くより大容量。57Lのガソリンタンクと前後に並べて後席下に配置されるので、荷室容量には影響しない。このサイズのクルマとしては、きれいに収められている。

アダプティブダンパーは、ほとんどのグレードでオプションとして設定。その数少ない例外が今回のP300eで、パッシブダンパーのみとなっている。その理由はシンプルだ。電力を使用する可変ダンパーを装備せず、可能な限り効率を上げてEV走行の航続距離を高めることを、ランドローバーは望んだのだ。

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