【時代に逆行?】クルマの排気量、拡大 「ライトサイジング」のねらい
公開 : 2021.02.24 05:45 更新 : 2021.02.24 11:39
大排気量モデルもまだ生き残る?
欧州ではダウンサイジングターボがブームになり、日本ではCVTというのが2000年代から2010年代にかけての流れであった。
しかし、そうしたなか、新たな流れも生まれている。
それがライトサイジングとアップサイジングだ。ライトサイジングのライトは「正しい」。つまり、正しい排気量にしようという考えだ。
また、アップサイジングは、文字どおり排気量をアップしようという提案だ。
行き過ぎたダウンサイジング化は、実用燃費の悪化を招く。また、高出力を求めるのに過給を使うと、ターボラグという不愉快な現象が生じる。それらを解決するために、「排気量を正しくする」、「排気量を増やす」という提案が生まれたのだ。
そして、そんな流れにあわせるかのように、実際に多くのクルマがエンジン排気量を変更している。
その代表例の1つが、燃費追求の筆頭となるトヨタのプリウスだ。1997年に登場した初代は1.5Lエンジンにモーターを組みあわせていた。それが2009年に登場した第3世代から排気量を1.8Lに拡大。もちろん燃費性能は高められている。
また、マツダは2018年にマツダ2の排気量を1.3Lから1.5Lに拡大。そのねらいは、実用燃費の向上にあったという。
さらにダウンサイジングターボ旗手であったフォルクスワーゲンは2017年にゴルフ7に、排気量を1.4Lから1.5Lに拡大したモデルを追加している。
燃費とドライバビリティ、経済性などをバランスよく追及していった結果に生まれた考えが、現在のライトサイジングであり、アップサイジングだ。
こうした新たな考えが生まれたこともあり、ダウンサイジングターボは、この先、今よりも極端なものに進むことはないだろう。また、高性能を謳う大排気量車も、もう少し先まで生き残るのではないだろうか。