【2代目ロードスターを移植】MKインディ RX-5へ試乗 ターボ化で220ps 魅力に溢れる
公開 : 2021.03.02 08:25
MKインディは、ドイツ生まれのライトウェイト2シーター。マツダ・ロードスターのドライブトレインを移植し、ターボ化されたモデルを英国編集部が評価しました。
ロードスターをドナーに自分で組み立てる
MKモータースポーツ社は、ドイツの小規模な自動車メーカー。前回は同じMKインディにバイク界のモンスター、スズキ・ハヤブサ用の4気筒エンジンを搭載したモデルをご紹介した。
そちらは車重480kgで、最高出力は202ps。レブリミットは1万500rpmで、トランスミッションは6速シーケンシャル・マニュアルだった。見た目はケーターハム・セブンに似ているが、MKなりの面白いアイデアを備えたクルマだったといえる。
では、MKモータースポーツ社が用意するセルフビルド・キット状態のインディはどうだろう。英国での価格は、8533ポンド(122万円)と手頃。ドライブトレインの提供もととなるのは、2代目マツダMX-5、中古のロードスターとなる。
欧州でも、比較的メカニズムの状態が良いロードスターが、かなり安価に手に入ることが多い。オーナーが組み立てに要する想定時間は、およそ250時間。とても軽量な2シーター・スポーツが、1万ポンド(144万円)程度で手に入る計算になる。
MKモータースポーツ社に連絡すれば、英国なら1万8995ポンド(273万円)から組み立て済みのインディ RX-5を購入することもできる。しかし、このクルマの本来のアイデアは、ドライバー自らが組み立てるという趣味性に重きがおかれている。
お金に余裕がある人というより、時間に余裕がある人向けのクルマといえる。屋根付きのガレージも必要だろう。
ターボを追加し220psで車重600kg
もちろん、今回の試乗車はMKモータースポーツ社の技術者が組み立てたもの。筆者が工具を握ったわけではない。
中古のエンジンには、ターボもアドオンされている。ターボ付きキットの価格は1万2995ポンド(187万円)へ高くなる。そのかわり、マツダ製の1.8L 4気筒エンジンからは220psを搾り取ることができる。
ターボが付くと車重が増えるが、それでも約600kg。ノンターボなら30kg軽い。220psに600kgだから、かなり速いことは想像に難くない。しかも、相当に楽しい。
ボディまわりもインテリアの設えも、見た目はベーシックなもの。しかし、メカニズム関係はとてもきれいに整っている。それで構わないと思う。
現代的なデジタルメーターが備わり、バケットシートは前後にスライドできる。ステアリングコラムの位置調整はできないものの、ドライビングポジションは悪くない。
ボンネットの中央にはパワーバルジがあり、反対側のフロントタイヤを見られるのは、身長の高いドライバーのみ。それでも、狙った通りのラインにインディを導くことは難しい作業ではない。
前回試乗したスズキ・ハヤブサのエンジンを搭載したインディは、足まわりがフォード由来だった。このインディ RX-5は2代目ロードスターがベースだから、リアのトレッドも若干狭い。