【フルモデルチェンジ話題】ホンダの慧眼 BセグSUV広めたヴェゼル
公開 : 2021.02.26 05:45
ヴェゼルのフルモデルチェンジが話題です。新型が続々と投入されるコンパクトSUVを広めたのがヴェゼルです。
全世界でトレンドのBセグSUV
いま、自動車業界でトレンドとなっているのがコンパクトなSUVだ。
日本市場でいえば、トヨタ・ライズ/ダイハツ・ロッキーの2020年の大ヒットが目新しい。
また、日産の10年ぶりとなる新型モデルのキックスや、トヨタのヤリス・クロスなど、数多くのコンパクトSUVが話題を集めている。2月にはホンダのヴェゼルの発表もおこなわれて、大きな注目を集めた。
こうした傾向は日本だけでなく、欧州でも顕著だ。フォルクスワーゲンのTクロスにアウディQ2、プジョー2008、シトロエンC3エアクロスなど、数多くのコンパクトSUVが販売されている。
そのどれもがいわゆるBセグメント相当のSUVだ。多くのモデルが、Bセグメント・ハッチバック車をベースにしたエンジン横置きFFベースのSUVというのも共通点だ。
しかし、これらのコンパクトなBセグメントSUVが増えたのは、そう古い話ではない。
日本車のライズ/ロッキー、キックス、ヤリス・クロスは、どれも2019年末から2020年にデビューしたばかり。
欧州のモデルも、その大半は直近3~4年で生まれている。つまり2010年代後半だ。
しかし、その前となる2010年代前半に誕生し、BセグSUVの波を大きくした貢献者がいる。その1つが2013年に誕生したホンダのヴェゼルだ。
ジュークが開拓、ヴェゼルが広める
ヴェゼルが誕生した2013年当時のトレンドは、もっと大きなサイズのSUVであった。
まだ小さなBセグSUVというムーブメントは生まれていなかったのだ。
正確にいえば先鞭をつけたのは、2010年に誕生した日産のジュークだろう。しかし、ジュークのヒットは限定的であった。日本国内の販売ランキングでは最高で2011年の18位。ベスト10は、はるか遠いという結果だ。しかも、それ1モデルだけでムーブメントは生育できない。
しかし、ジュークが見つけたアイデアを大きく開花させる存在があった。それがホンダのヴェゼルであり、プジョーの2008(2013年誕生)の2モデルだ。
とくにヴェゼルの貢献は大きい。日本市場でいえば、登場直後の2014年に年間販売ランキングで7位にランクイン。2015年に9位、2016年に8位というヒットモデルとなった。
また、日本だけでなくHR-Vの名前で欧米をはじめ中国やアセアンで幅広く販売されており、すっかりホンダを支える主要なグローバルモデルという地位に収まっているのだ。