【なぜ?】「三角窓」消えたワケ 「カーエアコン大衆化」のほかにも……
公開 : 2021.03.03 05:45 更新 : 2021.10.09 23:42
カーエアコン標準装備まで20年?
「見栄えの良さ」が、「三角窓廃止の理由」と考える理由は、カーエアコンが普及するまでのタイムラグにある。
カーエアコンが、どのクルマにも標準装備されるのは1990年代以降のこと。
つまり、三角窓が廃止される1970年から数えると、20年以上も後になる。実際のところ、1970年代だけでなく、1980年代になってもカーエアコンは高級品であったのだ。
財力のあるユーザーが使う高級車ならいざ知らず、若者が乗るようなエントリーカーでは、「エアコンなし」というのは珍しいものではなかった。
そうした「エアコンなし」のクルマは、当然、夏場は暑さに苦しむことになる。車内にあるブロアーで外気を導入するよりも、三角窓で外の風を取り込んだ方が涼しいのだ。
つまり、エントリーカーには、まだまだ三角窓のニーズは残っていたのだ。
しかし、現実には三角窓が復活することはなかった。
当時の若者は、「涼しい風」よりも「見栄えの良さ」が重要であったのだろう。
まあ、そのころのクルマは、いまよりも「デートカー」という用途が大きかった。それも三角窓の消えた遠因になったはずだ。