【GTI以上に楽しめる】フォルクスワーゲン・ゴルフGTI クラブスポーツへ試乗 55ps増しで300ps

公開 : 2021.03.06 08:25

通常のGTI以上に運転を楽しめる

ダッシュボードに残された数少ないボタンの1つで、ドライブモードを変更できる。アダプティブ・ダンパーには、ニュルブルクリンクと呼ばれるモードも用意されている。キンキンかと思いきや、英国の一般道にも適した設定だった。

サスペンションやエンジンなど個別に設定も可能で、アダプティブ・ダンパーは15段階の硬さが選べる。ヒュンダイi30 Nのように、若干選択肢が多すぎるようにも感じられるが、どれを選んでも印象は良い。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI クラブスポーツ(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI クラブスポーツ(英国仕様)

路面が変わるたびに停まって、設定を変えてみるのも悪くないかもしれない。ダンパーの設定はどうあれ、通常のGTIが備える人工的な感覚が薄められており、かなり運転が楽しめた。

ステアリングの反応はクイックで、動きも正確で滑らか。フォードホットハッチトヨタGRヤリスのように、タイヤのグリップ力を感じさせる、切り初めのどっしり感は少し欠けているようだ。でも、流暢で充足感もちゃんとある。

コーナリング時の振る舞いも同様。ボディロールは抑制されており、路面状態が悪くても充分な量のグリップとトラクションが得られる。能力はとても高い。

そこへ300psのパワーが加わる。デフがロックしタイヤが鋭く駆動し始めると、ステアリングホイールを握る手のひらにも感触がわずかに伝わる。いまどんな状態なのかを、直感的に知らせるように。フロントタイヤの限界が迫っていることも、わかりやすい。

ベスト・ホットハッチへ一歩近づいた

リアタイヤ側のブレーキを引きずりながら、コーナリング時のリアの挙動を確かめるには、GTI クラブスポーツをもっと乾燥した開けた道へ持ち込む必要がある。ライバルとの安定性の違いも、確認できるだろう。

少なくとも今回の試乗範囲では、特に気がかりな部分はなかった。標準的なゴルフGTIの振る舞いに準じて、全体的に好印象だった。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI クラブスポーツ(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI クラブスポーツ(英国仕様)

最新のフォルクスワーゲン・ゴルフGTI クラブスポーツは、ホットハッチの選択肢で、最上位に入るだろうか。日常的にステアリングホイールを握るような、実際的なドライバーの気分を上げてくれることは間違いない。タッチモニターの操作性は別として。

腕が試される道に出れば、通常のゴルフGTI以上の充足感を得られる。ベスト・ホットハッチの領域へ、さらに一歩近づいたとはいえるだろう。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI クラブスポーツ(英国仕様)のスペック

価格:3万7315ポンド(537万円)
全長:4284mm
全幅:1789mm
全高:1456mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:5.6秒
燃費:13.5km/L
CO2排出量:167g/km
車両重量:1461kg
パワートレイン:直列4気筒1984ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:300ps
最大トルク:40.7kg-m
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

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