【タイガー・ウッズ事故】「ジェネシスGV80」どんなクルマ? 安全性は?  

公開 : 2021.02.25 22:30  更新 : 2022.03.25 18:50

ヒュンダイの高級ブランド「ジェネシス

ジェネシスはかつてヒュンダイのなかの1つの車種だったが、2015年にプレミアムブランドとして独立を発表した。

日本でもヒュンダイ車が正規輸入されていた時期があったが、ジェネシスが一般販売用に輸入されたことはなく、現在、日本に存在するジェネシスは韓国大使館などの公用車両として輸入されているのみである。

ジェネシスG80
ジェネシスG80    ジェネシス

ジェネシスとして独立して以降、2016年8月に投入されたジェネシスG80が最初の米国市場進出車となる。

その後、G70やG90などのセダン車種を投入し、アメリカ人が大好きな「インフォテインメント」を充実させてきたこともあって、米国の消費者評価メディア「コンシュマーレポート2018」では、「ベストブランド」の第1位を獲得している。

また、昨年5月にAUTOCAR JAPANでお伝えしたが、2020年発表のJ.D.パワーによる調査「自動車耐久品質調査」(発売から3年経過した車両についての不具合か所調査)では、レクサスの独走を止めて2017年発売のジェネシスG80が1位という驚きの結果を残した。

このように、2015年のブランドデビュー以来、人気車種として好調に販売台数を推移させていたジェネシスだが、2020年はCOVID-19(新型コロナウイルス)の影響もあり、北米での販売台数が23%も減少してしまった。

北米で販売される自動車の主要30ブランドの中においては、最下位のフィアットの次。2020年の販売台数はわずか1万6384台でワースト2位という結果となってしまった。

ウッズはトップグレードに乗っていた

そのようななか、北米での売り上げ回復を狙える新型車として2020年秋に2021年モデルとして投入されたのがSUVのGV80だった。

GV80は以下の3グレード構成となっている。

ジェネシスGV80
ジェネシスGV80    ジェネシス

2.5T I4 RWD(2.5Lターボチャージャー付き直列4気筒RWD:4万8900ドル~)
2.5T I4 AWD(同AWD:5万4650ドル~)
3.5T V6 AWD(3.5LツインターボV6:5万9150ドル~)

2.5Lモデルの最高出力は304ps/5800rpm、3.5Lモデルは380ps/5800rpm。

全車がシフトバイワイヤー&パドルシフター付き8速オートマチックを搭載し、室内には10個のエアバッグを標準装備している。

目玉となるのは、運転席と助手席の間に設置されている「フロントシートセンターエアバッグ」で日本車では欧州向けのホンダ・ジャズ(ホンダ・フィット)にコンパクトカーとして初めて装備された。

これは、ユーロNCAP(欧州の衝突安全テスト)の側面衝突に対応した装備だ。

ウッズに貸し出されていたのは最上級グレードの3.5L V6ツインターボ・モデルで、ドライバーの居眠り運転を検知して警告を促す装備や前方の衝突回避システムなど数々の先進安全装備を搭載している。

なお、GV80は「2021年ノースアメリカン・ユーティリティ・ビークル・オブ・ザ・イヤー」のトップ3の1台に、マスタング・マッハE、ランドローバーディフェンダーとともに選ばれている。

いずれも2020年秋に投入された新型車だ。

「タイガー・ウッズを救ったクルマだ」として、アメリカではにわかに注目が集まっているGV80だが、実際の衝突安全性能はどうなのだろうか?

実は奇しくも、ウッズが事故を起こした直後となる2月24~25日にNHTSAによる、GV80の衝突安全テストがおこなわれているという。

3月に結果が公表されるとのことだが、有名人の思わぬ事故によって、GV80の衝突安全性能が証明されてしまったといえそうだ。

記事に関わった人々

  • 加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。

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