【スーパーチャージドV8で549ps】ジャガーFペイス SVRへ試乗 EVブランド化前の傑作
公開 : 2021.03.11 08:25
ハンドリングも乗り心地もFペイスに軍配
インテリアを見れば、大きなタッチモニターがダッシュボードに鎮座している。しかし、モニター一辺倒というわけでもない。
大きな円形の2眼メーターは、従来的なデザイン。ステアリングやサスペンション、トランスミッション、エンジンには2ステージの設定が設けられている。でもその程度で、過多な選択肢や情報で負担を感じることもない。これくらいの内容が良いと思う。
変わり者の、年配的な意見かもしれない。それでも、運転中に使える機能に不足はないだろう。
Fペイスの車重は2.1tもあるから制限はなくはないが、SVRはすこぶる良く走る。ライバルはアルファ・ロメオ・ステルヴィオやメルセデスAMG GLC 63、ポルシェ・マカンなど複数ある。それでもハンドリングも乗り心地も、Fペイスの方に軍配が上がる。
コンフォート・モードからダイナミック・モードへの切り替えも、センターコンソールのスイッチ1つで一発完了。英国の様々な路面状態に合わせて、運転を楽しめる。マーケティング担当ではなく、理解する技術者によって設定されたのだろう。
筆者はドライバーズSUVという響きに、イマイチ慣れない。SUVはSUVとして、スポーツカーはスポーツカーとして生まれた方が、より充足度は高いと考えている。一方で、多くの人が両方を同時に求める理由もわかる。ジャガーはその要望を見落としていない。
ほかのライバルよりFペイスを選びたい
今回は確かめられていないが、全天候型モデルとして充分な性能であるなら、筆者はほかのライバルよりジャガーFペイスを選ぶだろう。レジローバー・スポーツや、アストン マーティンDBXよりも。
2021年らしいクルマとはいえないかもしれない。ジャガーはつい先日、将来的にすべてのモデルを純EVにすると発表したばかり。なのにFペイス SVRは、549psを発生する5.0L V8スーパーチャージド・エンジンを載せている。
いつの日か、自動車ファンとしてひと昔前の華やかなモデルを思い出し、愛情深く振り返ることだろう。このジャガーFペイス SVRも、そんな1台になるのだと思う。
味わえるなら、今のうちにということだ。
ジャガーFペイス SVR(欧州仕様)のスペック
価格:7万7595ポンド(1117万円)
全長:4747mm
全幅:1936mm
全高:1664mm
最高速度:244km/h
0-100km/h加速:4.0秒
燃費:8.2km/L
CO2排出量:275g/km
車両重量:2133kg
パワートレイン:V型8気筒5000ccスーパーチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:549ps/6250-6500rpm
最大トルク:71.2kg-m/3500-5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック