【スバル・レヴォーグ】夏と冬比較で実感 スバルが目指す「継承と超・革新」
公開 : 2021.03.09 05:45
新型レヴォーグを雪国を走らせてみると、スバルが目指す「継承と超・革新」を肌で感じることができました。
夏と冬の走りを比較
3mを超えるような雪の壁が続く、新潟県南魚沼市から十日町市の周辺。
スバルのレヴォーグSTIスポーツEXに乗りながら、あらためてスバルがいう「継承と超・革新」を実感した。
とても安心できて、疲れないのだ。
少し大げさ、または抽象的な表現と思われるかもしれないが、素直な気持ちとしてそう感じた。
2020年を振り返ってみると、筆者(桃田健史)が新型レヴォーグに初めて乗ったのは、夏真っ盛りの8月だった。
新型コロナウイルスの第2波が懸念されるも、感染がややおさまっていた時期で、感染防止策をしっかりとったうえで、発売前のプロトタイプという状態で茨城県内の日本自動車研究所(JARI)テストコースでの試乗だった。
その際の体験と、今回の雪上試乗を比較してみることで、レヴォーグ開発責任者のPGM(プロジェクト・ゼネラルマネージャー)の五島賢氏が強調した「継承と超・革新」の本質がはっきりと見えてきた。
まずは、乗り味とハンドリングの違いについてだ。
なんといっても、骨格であるSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)の影響が大きい。2016年に5代目インプレッサに採用され、その後にXV、フォレスターとフルモデルチェンジされるタイミングで随時導入され、2代目レヴォーグではかなり熟成された。
とはいえ、初代レヴォーグの走りもかなり良かった……。
スバルの技術の裏打ちを実感
2020年夏、筆者は五島PGMに「新型は良いのは当然だが、初代の走りもかなり良い」という感想を直接伝えた。
初代レヴォーグは、SIシャーシ採用の最終モデルであり、年次改良ではSTIとのサスペンションを共同開発し高次元の動的質感を実現していた。
平坦でスムースな路面での60km/h程度のスラロームや、30km/h程度のUターンでは、新型レヴォーグの低重心かつロール量の少ない動きはたしかにわかるのだが、初代レヴォーグの走りも各メーカーの最新モデルに引けを取らない上質な走りだと感じたのだ。
それが今回のように、表面が荒れたアスファルト路面のワインディング路や雪道での走行になると、新型レヴォーグの「走りの密度感の高さ」をしっかり感じ取ることができた。
スバル・グローバル・プラットフォームにフルインナーフレーム構造を採用し、サスペンションのストローク(作動量)をフロントで25%、リアで5-10%もロング化した。
また、2ピニオン電動パワーステアリングの採用や、ホイールセンターとキングピン軸のマスオフセットを軽減している。
こうした先代との違いが、乗り心地の良さと運転操作に対するにすっきり感としてはっきりとわかる。さらに、STIスポーツ搭載の電子制御ダンパーの切り替えにより、さまざまな走りのリズムが楽しめた。