【エリーゼの最初と最後】ロータス・エリーゼ シリーズ1とシリーズ3を同時試乗 前編
公開 : 2021.03.13 09:45
車重725kgしかないシリーズ1
グリーンに塗られたシリーズ1の初代エリーゼは、やはり別時代のクルマだと実感する。ジュリアン・トムソンが手掛けたデザインは、丸みが強くシンプル。どこかフェラーリ・ディーノ246GTに似た雰囲気も漂わせる。トムソンも、1台所有しているらしい。
シリーズ3のエリーゼの見た目は、20年ほど前に発表されたシリーズ2と大きく違わない。しかしバンパーやヘッドライトなどの造形は主張を増していて、モダンに見える。
時代を超越したデザインだと思う。筆者にとっては、初代も現行型も特別なクルマ。どちらが好きか、選ぶことは難しい。
無意識に、初めにドアを開いたのは初代の方。理由はわからないが、記憶の中の25年前の印象や感覚が、正しいものか確かめたかったからだろう。
今回用意されたシリーズ1のエリーゼは、見た目にも機械的にも完璧な状態。新車時がどんなものだったのか、推測する必要がないほど真新しさが残っている。
パワーアップするスポーツエグゾーストも付かず、サスペンションはコニ社製のまま。完全に工場を出たままの、つるしの状態だ。運転席に腰を下ろすと、快適ですぐに落ち着ける。ドライビングポジションやペダル配置は、ほぼ完璧。
しかし、今日では考えにくいような部分もある。フロアはとても滑りやすい。エリーゼに慣れたプロでさえ、短時間にルーフを取り付けることは難しい。
サーキットに出たくてウズウズする。グリーンのエリーゼもそうだろう。車重は725kgしかなく、スポーツ240より20%も軽い。
この続きは後編にて。