【スバルの真価】フォレスターとの旅で感じた「リアルワールド開発思想」とは?
公開 : 2021.03.17 05:45
eボクサーとXモードの相乗効果
今回一緒に過ごしたフォレスターは、スバル初の電動化技術を搭載したeボクサー。2.0Lの4気筒エンジンをモーターアシストする。
ライバル各モデルと比べると、2.0Lでは非力というイメージを持つ人がいるかもしれないが、今回500km走行していて、そうした気持ちには1度もならなかった。
エンジンの低回転域でのモーターアシストは、唐突だったり、強過ぎてエンジン回転数が上がってからのエンジンとのつながりが不自然になることはなく、あくまでも自然体だ。
ただし、いわゆるマイルドハイブリッドというイメージに感じないのは、そこにシンメトリカルAWDの走行特性とのベストマッチングを狙った開発理念があるからだ。
走行シーンが雪道となると、eボクサーはXモードとともに威力を発揮する。
圧雪路での発進時、Xモードのダイヤル式スイッチを左に回し、スノー・ダート・モードにセットすると、タイヤの空転がなくスムーズに発進した。
これが、アクセルワークに対してCVTへの入力トルクをコントロールしている。エンジンよりもモーターを主に駆動し、氷結路、圧雪路、シャーベット状のウェット路でトルク伝達効率を変えている。
また、傾斜のある積雪路から一気に下るシーンもあったが、Xモードでの車速20km/h以下で自動的にヒルディセンドコントロールが効き安心感が増した。
リアルワールドで実感「0次安全」
XモードのD.(ディープ)スノー・マッドも活躍してくれた。斑尾(まだらお)高原の周辺では、深い新雪の中を走行するシーンがあったが、緩い傾斜がある状態での発進時でもなんなく脱出することができた。最低地上高220mmも効いている。
ちなみに、タイヤはヨコハマのアイスガード6 iG60である。
また、妙高高原の周辺では、ガソリンスタンドやコンビニエンスストアの敷地や駐車場の路面が凍結していたが、スノー・ダート・モードにするとドライ路面を走行しているかのように安心できた。
むろん、XモードやシンメトリカルAWDに対する過信は禁物であるが、気持ちのうえでの保険として安心できることで、雪道での疲れが少ない。
こうした雪国での走行で、もう1つあらためて実感したことがある。
それが、0次安全だ。
スバルは、総合安全という言葉をつかう。それは、シンメトリカルAWDによる走行安全、スバルグローバルプラットフォームなど車体構造による衝突安全、アイサイトによる予防安全、そして内外装のデザイン設計を含めたドライバーの視野を確保する0次安全という、4つの安全で構成されている。
降雪時の市街地の交差点で、横断歩道を渡る歩行者を目視する際、0次安全を実感した。
「安心していつでもどこへでも行ける」
フォレスターとの旅を通じて、スバルのリアルワールドでの開発思想を肌身で感じた。