フォルクスワーゲン・ポロRプロトタイプ
公開 : 2014.01.24 21:00 更新 : 2017.05.29 18:58
■どんなクルマ?
フォード・フィエスタST、ルノー・クリオRS、プジョー208GTIにチャレンジすべくフォルクスワーゲンが放つモデルがポロRだ。しかし、このポロRはまだプロトタイプの段階で、ウインター・テストを行っているところなのだ。
昨年前半のWRCへの参加を機に限定2500台で販売されたFWDのポロRとインテリアやスティール・ボディは共有する。しかし、その内部は、アウディA1ベースのS1の4WDメカニズムが使われている。そして、この3月に開催されるジュネーブ・モーターショーでワールド・プレミアを果す計画だ。
アウディS1とポロRは共同のエンジニアリング・プログラムで開発された。エンジンはフォルクスワーゲン製のEA888。アウディのテクニカル・ボスであるウルリッヒ・ハッケンバーグは、その4気筒ターボ・ユニットの出力が250bhp以上にチューンされているというが、その細かなスペックはまだ公開していない。また、フォルクスワーゲンもオフィシャルにトルクは35.7kg-m以上であるとにもコメントしている。
プロトタイプは、6速のデュアル・クラッチ・ギアボックスと、電気機械式のマルチプレートを持つ4WDシステムが組み合わせられる。サスペンションは新しいセッティングがされたほか、リアはスタンダード・モデルのトーション・ビームからマルチリンクへと変更されている。基本的にはポロのWRCカーと同じパッケージが与えられているのだ。
■どんな感じ?
短い時間の試乗ではあったが、非常に有意義なドライブであった。凍った湖上での短いテストだが、ポロRの可能性の高さをしっかりと確かめることができた。何よりも感銘をうけたのは、その全体的な機敏さだった。
スタンダードなポロから変更されたマルチリンク・リア・サスペンションの選択は、機敏さを与えた。また、それぞれのホイールに適切なパワーを与える4WDシステムは、目がくらむレベルのイージー・ドライブをもたらしてくれる。素早い方向変換を可能とし、トラクションも十二分。ステアリングの重さも適度で、狙ったラインを思ったようにトレースできる。
本当の乗り心地を評価するにはアスファルトの上でドライブする必要があるものの、高いトラクションとコーナーからの鋭い立ち上がりには驚くものがある。
氷の上でもハンドブレーキは必要ない。コーナーに侵入した後、スロットルをオフにするとドリフトが始まるが、その状態でもポロRは非常にコントローラブルで面白い。雪と氷が混じった路面でも、ギアさえ入っていれば、確かな加速を示してくれた。
公式はアナウンスはないが、パフォーマンスは、0-100km/h加速がポロR WRCよりも0.5秒以上速い6秒未満。そして最高速度はリミッターが効く250km/hと予想される。
■「買い」か?
残念ながらプロトタイプなので、このポロRを手に入れることは不可能だ。しかし、3月のジュネーブ・モーターショーでの公開が決まっている。また、その後の生産も比較的早いと思われる。価格は£21,000(360万円)前後だろうか。あとすこしの間、待って欲しい。
(グレッグ・ケーブル)
フォルクスワーゲン・ポロRプロトタイプ
価格 | NA |
最高速度 | 250km/h |
0-100km/h加速 | 6.0秒以下 |
燃費 | NA |
CO2排出量 | NA |
乾燥重量 | NA |
エンジン | 直列4気筒2.0ℓターボ |
最高出力 | 250ps |
最大トルク | 35.7kg-m |
ギアボックス | 6速デュアル・クラッチ |