【ソフトトップへ回帰】BMW M440i xドライブ・カブリオレへ試乗 洗練のクルージング

公開 : 2021.03.19 08:25

電動ハードトップからソフトトップになったBMW 4シリーズ・カブリオレ。ミドルクラスのオープンモデルとして訴求力が増したと、英国編集部は評価します。

ソフトトップで魅力的なプロポーションに

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
BMW 4シリーズのカブリオレが、ファブリック・ルーフへ戻った。2004年に登場した3シリーズ・カブリオでフォールディング・ハードトップに変更。2014年に4シリーズへモデルチェンジした際も、ソフトトップではなかった。

BMWのラインナップを見ると、小さな2シリーズにも大きな8シリーズにもコンバーチブルが用意され、どちらもファブリック・ルーフとなっている。4シリーズへ与えられるのも、時間の問題だったといえる。

BMW 4シリーズ M440i xドライブ・カブリオレ(欧州仕様)
BMW 4シリーズ M440i xドライブ・カブリオレ(欧州仕様)

4シリーズとしては2代目に当たるG23型のカブリオレは、先代から全長で125mm、全幅で27mm大きくなり、4768mmと1852mmというボディサイズへ成長。全高は10mm低く、1384mmになっている。今までより魅力的なプロポーションになっている。

ボディの見た目で一番大きな印象を植え付けるのが、4シリーズ・クーペでもおなじみの上下方向に伸びたキドニーグリルだろう。この鼻先は、もうじきデビューする4シリーズ・グランクーペにも採用される見込み。

ボディ全体の滑らかなラインとは、少し調和しない造形にも思える。少なくとも、4シリーズ・カブリオレへ強い存在感を与えていることは間違いない。

多層構造となるファブリック・ルーフの素材は4シリーズに専用開発されたもので、従来の金属製ルーフより40%も軽量に仕上がるという。開閉は電動で、トランク内を仕切るプラスティック製トノカバー上部へ格納される。

開閉に要する時間は18秒。49km/hまでなら、走行中でも操作できる。

パッケージングは大幅に改善

ファブリック・ルーフを獲得したことで、カブリオレのパッケージングは大幅に改善した。フロントシート側の頭上空間は広くなり、荷室容量も大きくなっている。

オープン状態では、従来より80L増しの300Lの荷室を確保。ルーフを閉じれば、15L増しの385Lの大きさが得られる。またリアシートは、中央のアームレスト部分や背もたれ全体を倒し、荷室と貫通させることもできる。

BMW 4シリーズ M440i xドライブ・カブリオレ(欧州仕様)
BMW 4シリーズ M440i xドライブ・カブリオレ(欧州仕様)

4シリーズ・カブリオレがベースとするのは、BMW社製のCLARアーキテクチャの最新版。ホイールベースは41mm伸び2851mmとなった。トレッドは、フロントで28mm増しの1575mm、リアで18mm増しの1611mmとなっている。

上部でボディを支えるルーフを切り取ったことで、補強も施されている。前後のバルクヘッドやフロアパン部分にブレースを追加し、剛性を確保したという。

車内にはモニター式のデジタル・メーターパネルと、アップデートされたインフォテインメント・システムを搭載。作動ソフトウェアは、ID7と呼ばれる最新のものがインストールされる。インテリア全体の質感も大幅に引き上げられた。

英国では、ガソリンエンジン版の420iとM440i xドライブのほか、ディーゼルエンジンの420dと430d、M440d xドライブがラインナップされる。基本的に後輪駆動だが、MパフォーマンスのM440iとM440dでは四輪駆動だ。

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