ポルシェ919はV4エンジンを搭載
公開 : 2014.01.24 20:40 更新 : 2017.06.01 02:14
われわれAUTOCARのスクープによれば、今年のル・マンを戦うプロトタイプ・レーサー、ポルシェ919ハイブリッドLMP1のガソリン・エンジンに両バンクの間にターボチャージャーを1基備えたV4エンジンが使われることになる。16バルブの2.0ℓユニットで、正しい数値は解っていないが異常に広い挟角を持つV型エンジンだ。アウディのLMP1とは異なりターボチャージャーは電動ではない。
V4のレイアウト自体はスムーズなランニングをもたらすことから、自動車工学に於いては人気のあるレイアウトだが、モータースポーツ、特にル・マンをはじめとするスポーツカー・レースではここしばらく使われた記憶がない。にもかかわらず、ポルシェがこのレイアウトを採用したのには、919のハイブリッド・システムの位置決めの関係からだという。また、単純さ、ブロックの短さ、燃料消費率、そして軽さもその理由になったという。ただし、その振動を抑制するためにバランサー・シャフトを使用することは考えられる。
ポルシェが1950年代のル・マンで使用したフラット4も、180°V型とも評されたので、これがV型エンジンの初採用ではないともいうことはできる。
919は、モーターで前輪を駆動し、ガソリン・エンジンで後輪を駆動する。2つのエネルギー回復装置が装備される。それはKERSとERS(ポルシェはAERと呼んでいる)だ。KERSは前輪のブレーキ・パワーを運動エネルギーに代え、ERSはターボの排気ガスを運動エネルギーに変えるもの。バッテリーは、アメリカのA123システムズによって供給されうリチウム・イオンを搭載する。
ル・マンでライバルとなるトヨタは前後輪にKERSを備えるが、ポルシェのこの方式はアウディにも似たものだ。ちなみにレギュレーションで、エネルギー回復装置は2個までしか装備できない。
ポルシェはル・マン24時間の他にも、2014年のWEC全戦に参加するとアナウンスしている。ドライバーは、マーク・ウェバー、ディモ・ベルンハルト、ロメイン・デュマス、ニール・ヤニの4人が発表されている。また、姉妹誌AUTOSPORTによれば、ブレンドン・ハートリーとマーク・リーブの名前も上がっているという。
今年のWECは、4月20日のシルバーストンで開幕し、スパ、ル・マン・インテルラゴス、テキサス、富士、上海、バーレーンで戦われる。既に2台のマシンは出来上がっており、現在3台目を製作中だ。次のテストは2月中旬のバーレーンで行われる予定だ。