【字幕付き動画】比較試乗 トヨタGRヤリス vs 日産GT-Rニスモ 国産スーパー4WDを乗り比べ
公開 : 2021.03.12 11:45
昨年登場し話題をクルマ好きのさらっているトヨタGRヤリスを、日産GT-Rニスモと比較しました。極寒の濡れた狭いサーキットという状況では、ヤリスがGT-Rに僅差ながらも勝利するという結果になりました。
ヤリスでありながらヤリスではない
今回試乗するのはトヨタGRヤリス。ヤリスでありながら、ある意味ヤリスではない。専用にワイド化されたボディと2つの小型車用プラットフォームを組み合わせた専用シャシーを持ち、四輪の独立式サスペンションやWRCチームの手によるエアロが装着される。6速MTに世界一パワフルな3気筒エンジンを組み合わせ、わずか1.6Lながら260psを発生する。
このGRヤリスを究極の4WDスーパーカー、日産GT-Rニスモと比較してみよう。2021年型ではエンジンのタービンが変更された他、若干の軽量化や専用装着タイヤの改良が行われている。しかしこんな寒いウェールズの短く濡れたサーキットを想定しての変更ではないはずだ。
まずはヤリスから始めよう。6速MTは小気味良い感触で、エンジン音こそ違和感があるものの非常に良く回り、7000rpmでは莫大なパワーが得られる。乗り心地も旋回性だけでなく公道での乗り心地も良好で、ただひたすらに楽しめる。
トラクションもグリップも絶大で落ち着いており、これがこの価格で手に入るとは、まさに現代ホットハッチ界のヒーロー的存在だ。GT-Rはこれほどの落ち着きと成熟を感じられるだろうか。
登場から時間経つ今でも一級品の走り
4WDモンスターの元祖とも言えるGT-Rに乗り換えよう。GT-Rの登場時には、スーパーカー並みのパフォーマンスを、はるかに安く手に入れられるクルマだった。今では価格もスーパーカーに近づいているが、そのパフォーマンスはスーパーカーを上回るだろう。
こちらもエンジニアリングの質から言えばまさにスーパーカーだが、メインストリームのメーカーが作っているという点が特異的だ。
今日のこのコースのようなウェット路面ではソフトなモードが適していると思ったが、実際にはRモードの方が好印象であった。ボディの動きが落ち着いており、動きこそクイックになるものの立て直しも素早くできる。
タイヤが温まってくれば、グリップもトラクションも良好だ。直線では速すぎて速度計を見る暇もないが、アジャスタビリティは高く、コーナリングも最高だ。登場から時間が経つクルマだが、今でも一級品の走りを見せてくれる唯一無二の存在といえる。
今回この条件の中で記録したラップタイムは、わずか0.5秒にも満たない差ではあるがヤリスがGT-Rを上回る結果となった。もちろん条件を変えれば結果も全く違ったものになるだろうが、どちらも素晴らしいクルマであることは間違いないと言える。
詳細は動画にてお楽しみいただける。